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浮気をされたら  作者: こたつむ
紗羅の場合

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16/16

ウソ

 私と旦那は話し合いの上、子供を私が引き取り、養育費をもらうことになった。

 慰謝料はない。

 養育費は十分ではないが、歳をとった母が、離婚の原因に私の浮気があること、家事が増えることを嫌ったため、実家に戻るわけにもいかず、実家近くにアパートを借りた。

 実家に子供を預けて彼に会っていたことも母の怒りをかい、もう、実家に子供を預けることもできない。


 離婚のゴタゴタで、土曜日に彼に会うこともできず、2ヶ月が過ぎた。

 彼には、母の体調が思わしくないと伝えていた。


 そして、久しぶりに彼に会う。

 彼は、母の体調を気にかけてくれる。

 彼と会うために、もう、実家に子供を預けられず、彼と夜を共に過ごせなくなった私は、子供がいて、バツイチでいることを打ち明けた。

 そして、彼と出会った時には、すでにバツイチであったとウソをつく。

「お母さんが、体調が悪いのも、ウソだったの?」

「それは、本当。

 だから、子供を預けるわけにもいかなくて、会うことが、できなかった。」

 ウソを重ねる。

「そう。」

 大変な時だからと、彼は、ランチを済ませると、母と子供のためにと早々に帰った。


 彼とちゃんと向き合うため、今の自分の正直な姿を彼に見せようと、次の土曜日に、アパートに彼を招待し、子供と共に会う約束をした。

 しかし、前日、彼から連絡が入った。

「ゴメン、色々君が言ったことを思い返して、君のことがよくわからなくなってる。

 だから、今は子供に会うべきではないと思うんだ。」

「土曜日は保育園に預けられるから、しばらくは2人で会ったほうがいいかな?」

「お母さんは、大丈夫なの?」

「今は、落ち着いているから。」

 彼は、少しためらってから言った。

「ゴメン、しばらく距離を置いて、気持ちを整理したい。」

 母が病気だと言うことにも、疑いを持っているのだろうか。

 彼の気持ちが離れていくように感じた。

「ごめんなさい。

 子供がいることを最初に言ったら、付き合うこともできないと思ったから、言えなかった。

 時期を見て、言おうと思ってたけど、言う勇気が待てなかったの。」

「せめて、ぼくが、ご両親に挨拶したいっていった時に、言って欲しかった。

 ぼくは、誠実に君に接していたから、君のいろんな言動が、ウソだったんだと思うとやりきれなくなるんだ。」

「あなたへの気持ちにウソはないよ。」

「ごめん。君の言葉を素直に受け入れることができない。」

 彼に、私の言葉は届かなかった。


「彩華、彼はホントに私のこと好きでいてくれたのかな?

 ウソで気持ちが失くなるの?

 すごく、心を通わせてたはずなのに、どうして?

 好かれるためのウソって、誰でもついてるよね。

 子供がいることが嫌なの?

 私のこと本気で好きだったら、ウソも受け入れてくれるんじゃないの?」

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