ざまぁ!
その日は買い出しデーだった。
俺はティアを家に残して1人で買い出しに来ていた。
ティアは掃除などがしたいと言うので、俺が買い出し役に回ったわけだ。
ジンを魔法ケージに入れて街を歩いていると…
サスティナと遭遇した。
「え、サスティナ…?
ロイド達も居るの…?」
「ふふふ。
安心して、私しか居ないわよ。
あら?
ケージね?
その大きさだとワンちゃんかしら?」
「えーと、まぁ、その…」
最強ドラゴンが入っているとは言えない。
「私、わんちゃん大好きなのよね?
少し出してくれない?」
サスティナはケージを覗き込みながら言う。
「これさ、実は…蛇なんだ…」
「えぇ!?
蛇!?」
「そうそう、この牛肉をさ、丸呑みするんだ。
結構豪快でさ、見ものなんだよ。
見る?
見るなら出すけどさ。」
俺は言う。
「ちょ、ちょっと私、用事を思い出したわ!
じゃ、じゃあね、エース!」
サスティナは逃げていく。
ふぅ、安心だ。
そして、俺はまた買い物に戻る。
大体の買い出しを終えて、広場の前を通ると、ロイド達と遭遇した。
げぇ。
めんどくさい奴らだ。
知らぬふりをして、通り過ぎようとしたら…
ロイドが俺を呼び止めた。
「よぉ、飼育係?
蛇飼ってるんだってな。
気持ち悪いもん飼いやがって…」
「関係ないだろ。」
「なんだと?
偉そうだぞ。
家畜係のくせに!」
ロイドはその言葉が頭に来たのか、俺の魔法ケージを思いっきり蹴り上げた。
転がっていく魔法ケージ。
「ジ、ジン!!?」
俺は慌てて魔法ケージを追いかける。
「くくくっ!」
そう笑って、ロイドは炎魔法を魔法ケージに放ったのだ!
「ジンーーーー!!!!」
俺は叫びながら、水魔法を発動した。
何とか火は消えたが、ジンが怪我していないかと、慌てて中を見る。
良かった…
無事みたいだ…
「ふん、蛇持ってさっさと行けよ!」
「許さないぞ…!
お前ら!」
「はぁ?
お前に許されなくても全然いいんだよ!!!」
ロイドは言う。
そのとき、俺は魔法ケージを開けた。
「ジン、出ろ!
アイツらをコテンパンにしてやるんだ!」
『オッケー!』
巨大なドラゴンが現れた。
口調は子供っぽいが、もうすっかり大人だ。
「あれ…
オリジンドラゴンじゃ…」
「ドラゴン…テイマー…?」
「嘘だろ、あの子が…!?」
広場の人たちから声が上がる。
「嘘だっ!
お、お前がドラゴンテイマーなわけがねぇ…っ!!!」
「そうなんだよ!
残念だったな!
ジン、行け!」
『ファイアハコウダヨ!
ファイアブレス!!!』
ジンは口を開けてファイアブレスを吐いた。
巨大な炎がマグマのように強力に噴射される。
「ぐぁぁぁぁぁ!!!」
「あちぃよおぉぉ!」
「た、助けてぇぇぇ!」
ロイド達は炎の渦の中で暴れながら、火傷を負い、逃げていった。
そして、広場からは次第に歓声が上がり始めた。
「よくやった!
ドラゴンテイマー!」
「天空の剣嫌いだったのよー!」
「スッキリしたわー!」
そうして、俺の正体はバレた。
しかし、後悔はしていなかった。
あそこでバラさなくて、いつバラす?
ロイドの非道は許せなかったのだ。
俺は拍手喝采を受けながらジンの背に乗ると、空高く舞い上がった。




