めちゃくちゃ馬鹿にされる
今日はスキル授与式並びに卒園式。
卒園式はおまけみたいなもんで、みんなが渇望しているのはスキル授与式だ。
ここは魔法学園エレベータ。
エレベータでは、初級魔法から中級魔法までと剣術も一通り学ぶ。
6年間の学園生活を終え、俺も一端のハンターとして活躍する。
あ、俺の名前はエース。
学園では常に首席だった優等生だ。
一般的には、スキルの強さは学園での成績と密接に関係している、とされている。
つまり、学園での成績が優秀であればあるほど、強いスキルを得やすいと言う事だ。
従って、俺の周りには人人人!
「エース、絶対俺とパーティ組もうぜ!」
「ダメよ、エース君はうちのパーティに引き抜くんだから!」
「おい、こっちが先約だぜ?」
などなど。
そんなこんなでスキル授与式が始まった。
悪魔の右手
超回復
ひび割れぬ盾
聖なる騎士
など、強そうなスキルもちらほら出ている。
段々と俺の番に近づいてくる。
「剣聖だろ。」
「いや、魔剣だ。」
「氷魔導もありだろ。」
と俺のスキル予測が始まる。
そして、俺の番がきた。
俺に言い渡されたスキルは…
「エース!
飼育…!」
ザワッ…
え、し、し、飼育…?
今、飼育って言った…?
「家畜係かよwww」
誰かが言い、みんな失笑する。
「やばい、クズじゃん?」
「もう1つは、組み合わせ…!」
教壇の学園長が言った。
「何を組み合わせるんだよ?w」
「料理人か?www」
みんなの笑いは失笑から爆笑に変わる。
「最強どころか、最低じゃん。」
「終わったな。」
「首席ジエンド。」
「おもろーw」
俺はその日一日笑われ続けた。
もちろん、俺とパーティを組もうという人物は誰一人いなかった。
俺は、田舎の街を出る事にした。
ここに居たって笑われるだけだ。
俺はシングルハンターになる事を決めたのだ。
とは言え、飼育と組み合わせで、どうやってハンターをやれば良いのかさっぱり分からないが…
とにかく、乗合の馬車に乗って、始まりの街イライザに向かった。
イライザは始まりの街と二つ名があるほど、初心者向けの装備や薬草、ポーションなどが揃っている、活気のある街だった。
俺は街に着くと、とりあえず不動産屋に向かった。
とにかくこの街に住むならば、家は必要だ。
「いらっしゃいませ。
今回はリーズナブル不動産をご利用頂きありがとうございます。
えーと、どのような物件をお探しでしょうか?」
「あ、えと、贅沢は言いませんので、寝る場所があるアパートか何かを…」
「はい、えーと、ではスキル認定致しますね。
スキルはなんでしょうか?」
「そ、そ、それが…
飼育と組み合わせ、でして…」
「は?はぁ…
えーと、それはどう言った…?」
「前代未聞で良く分からないそうで…」
「うーん、なるほど、未知数のスキルですか…
その場合スキル保証が効かないんですよね。
となると、うちで扱う物件で住めるのは…」
「お願いします!
どうしてもこの街に住みたいんです!」
俺は頭を下げた。
「うーん、一軒だけ、あるのはありますが…」
「どこですか!?」
「壊れた教会の2階が空いてるんです…」
「壊れた教会…?」
「えぇ、付いてきてください。」
その女性について行くと、確かに教会は斜めに傾き、窓ガラスもひび割れていた。
一階部分は使いようが無いらしい。
「えーと、2階の部屋にはどうやって…?」
一階は通れないらしいので、どうやって入るのか?
「そのハシゴを登ったら入れますよ。」
ま、マジか…
「家賃は3000ギルでどうでしょうか?
ほぼ、タダみたいなものですね。」
「分かりました。
じゃあ、ここで。」
そして、なんとか家が見つかった。
その日一応またスキルを確認した。
スキルの説明が現れた。
飼育
→生物を育てる
組み合わせ
→対象の特性を組み合わせる
うーん…
どういう意味だ…?
♦︎♦︎♦︎
次の日、俺は平野に出ていた。
スライムやミニラビなどの雑魚モンスターしか出ないし、ドロップアイテムもろくなのが無いが、まぁ仕方ない。
家賃の3000ギルは稼がなくてはならないのだ。
そして、少し歩くと…
ドスン!
空から何かが落ちてきた…!
あれは…!
モンスターの卵!?
俺の肩の位置ほどの大きさの卵は、すぐに割れて中からドラゴンの赤ちゃんが出てきた。
げぇっ!
オリジンドラゴンの赤ちゃんだ…!
オリジンドラゴンとは、竜の始祖ともされる、ドラゴン族最強種であった。
俺がいくら中級魔法が使えて、剣を持っていて、相手が赤ちゃんでも、きっと敵わないだろう…
死が頭をよぎる…
オリジンドラゴンはくりんくりんの目をして、言う。
『ゴシュジンサマー!』
は…???




