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赤い瞳の銀の鳥   作者: アマメ ヒカリ
第六章 播種
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24. 独言

今日もお疲れ様でした。

ユーマは大きくなりました。




ルゥ・ラァとの星をめぐる一日、あれは楽しかったな。


怖い思いをしたことも、良い思い出だ。




何しろ僕は、ダルシから出たことなど無かったし、


海があるなんて聞いたこともなかった。



海はいいなあ。



海は、良かった。



リ・グウにも、レツにも会えた。



リ・グウは、海のあることを皆に知らせるのを、


やめておけよと言っていた。


そうだね。そうなのかもしれないな。




僕たちは、目の前の事を大事にしていく事が必要みたいだ。




あれから、何度も星をめぐった。




大気や石や、木には、確かに色々なものが記憶されていた。



悲鳴や、秘密や、後悔。



でも、どの記憶にも必ず、大切に思う気持ちが混ざっていて、



どうしたら良いのか、僕は困ってしまった。




土と鉱物の精霊王のソードの案内が無ければ



辿り着けない場所に行った時の事だ。




たくさんの透明な玉がある場所で、



そこには、玉の世話をする男の人がいた。



男の人は僕をみると、やっぱり笑うんだ。



リ・グウみたいに、シルフェみたいに、



懐かしそうに笑うんだよ。




僕はなぜだか胸がいっぱいになって、




元気だった?と言ってしまった。





男の人は、少しだけ泣きそうな顔をして、




はい。あなたも。



と言ってくれた。





どうやらこの星は何度も壊れかけたみたいで、



それは「豊穣」と関係が深い。



僕の持つ、豊穣は、


多分、みどり色。



思い出すように、

無くさないように、



僕の一部に畳んで閉まって、鍵をかけたみたいだ。




ああ、胸がいたむ。




胸のなかに僕がもう一人いる。




みどり色の、豊穣。




豊穣は、人の手で運ぶ。



今度こそ。



きっと。



うまくいく。












今日は寒いです。

温かくしてお休みください。

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