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赤い瞳の銀の鳥   作者: アマメ ヒカリ
第五章 冒険王
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17.星の核を震わせて

こんにちは。

毎日の献立。担当者は大変ですよね。

丼や鍋物は、命名してしまえばこちらのもの。

卵やお肉を乗せただけで○○丼。

昆布出汁に野菜やお肉など、家にあるものを入れたら寄せ鍋。暗くすれば闇鍋(違)。

毎日のバラエティにつまづいたら、デジャヴめしと名付けよう。

「今日はデジャヴ飯よ~」どうでしょう。






星の核に振動が伝わる。

低く、高く、重く、軽く。


透明な核まで届いた歌。

それはユーマ達が星の外で歌ったものだ。




透明な核。

冬、川が凍ることがあるだろう。

核はそれに似ている。



つるりとしたものではない。

ところどころがでこぼことしている。



核の中は光っている。


そのようすは、赤い実が沈めてあった川が

明け方に凍ってしまったものに似ている。


赤い光が核の中に透けて見えて、

核はいつも明るく暖かくなっている。



核の周囲にはね、いくつかの領域が隣り合わせに存在している。



人は時々、これら領域の中へ入り込む。

そして生活のなかで知らずと再現しているものなのだよ。



例えば、この領域。

透明な珠がひしめいている洞窟がある、この領域。



ここは鉱物の世界の、最奥の扉をくぐったところにある。

その扉は鍵つきだ。

誰でもというわけにはいかない。



透明な珠は卵。

ここから龍が、誕生する。



生まれたての龍は山頂や火口から飛び出して、この星の力を巡らしていく。



地上に意識を戻してご覧。

空を見上げて。


空の雲のもっと先、なるべく太陽に近付くように高く伸びていくと、彼らが見えるだろう。



ユーマと、ルゥ・ラァ、人の姿を象った精霊たち、

(すい)たち。



(すい)というのは儚いもので、形代がなければ星を巡る力のひとつになっていくものだ。



(すい)たちは、精霊たちの身につけた装飾品の中に入って、

一緒に歌を歌っているのだよ。



地上でも、粋は美しいものに入り込んで暮らしている。



長い時が経つと、粋は姿を持つことがある。



その姿を見た人が驚いて、周りの人達に話した事が残っていて、それがお伽噺になることもある。





ああ、歌が響いていく。


精霊たちと人の子と、根源の化身の鳥が、

星に歌と色を送ってくれる。




星の核は歌に応えて震え、紐のような光を無数に出す。



それを編むのは龍。



龍は大層自由なものだ。



光を編んで、螺旋を描いて上へと登り詰め、

他の龍と戯れて、光の紐をさらに編む。



それはやっぱり(とう)を立ち上げ、今度は空へと伸びてゆく。




この繰り返しは、止まることなく、続いている。




まるで呼吸のように。




だから、ひとりで生きているひまなど、ないのだよ。




ひとりだと思ったら、この事を思い出すといい。




力は巡る。

命の構成成分は、絶え間なく降り注ぐ。




今日も星の核はほのかに赤く光り、宙からの仲間の歌を聞いている。




鳥と少年と精霊たちが手を繋いで星を囲むよ。




その隣り合わせの領域で、それらを厳しい目で

見ている者もいる。




もう少し我々を、信用したらどうだろう。



皆が、役割りを、果たしているだけなのだけどね。











今日も無事に出力できました。

ありがとうございます。

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