リリム
この物語は、十三歳(中学生)の橘スズちゃんが、パイロットとしての存在を自問しながら、平和維持組織のノヴァ日本支部の室長の青年や、パイロットたちと協力する話です。
5号機のナイフの攻撃は、プロテクトによって防がれる。
エンジェルは不敵に微笑むと、5号機に手を伸ばす。
「やはり愚かね? 効かないってわかってるのに」
だが、その攻撃が5号機のプロテクトで防がれようとしたそのとき、ガラスが割れたような音が響き、ビームが5号機の首をめがけて一直線に向かってくる。
5号機が手を伸ばすと、再び割られたプロテクトが張られた。
その跳ね返った攻撃が、次々と街を破壊する。
火柱がビル街を包みこみ、5号機の手がエンジェルを強くつかむと、エンジェルはコアごと破壊され、霧となって消失した。
指令室一同は、メインディスプレイを見つめていたが、5号機がエンジェルをせん滅させたとわかると、各々、深い安堵のため息をつく。
だが、ハルトは、あごに手を当てていた。
そんな中、アカネだけは、艶のある茶色い瞳で、メインディスプレイを凝視していた。
「あれは、おとりよ。でも、来るわ」
ハルトが驚きながら、アカネに聞く。
「来るって——司令? まさか、リリムですか? ですが、また、彼女が出てくることは——」
アカネは、そのリリムに対して侮蔑を込めた。
「すぐにわかるわ」
ハルトは、唇を真一文字に引き結ぶ。
「それは……」
メインディスプレイから、凄まじい警告音が響き渡ると、ハルトは素早く指示を出した。
「5号機パイロットに麻酔薬の投与を開始!」
サクラが反応をする。
「は、はい」
先ほどのエンジェルは、沈黙したかに思えたが、再び、5号機の首をめがけてビームを繰り出そうとする。
エンジェルは戦いの最中で勝利を確信していた。しかし、彼女は、思わぬ所から何かを感じ取った。何かはわからないが、とても脅威的な感情だった。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
スズちゃんは、みんなのことを知りたいと思いながら、ほかのみんなは、他人にあまり話せない秘密を持っていたりするので、新米のスズちゃんに話すべきなのどうなのか、そこの調整が難しいんです……。
一方、スズちゃんも、他人には話せない過去がありますので、本人も悩んでおります。
一見、優秀な登場人物でも、実はとても悩んでいたり……など、人間関係の難しさを表せられたらいいな、と思っております。




