翻弄
この物語は、十三歳(中学生)の橘スズちゃんが、パイロットとしての存在を自問しながら、平和維持組織のノヴァ日本支部の室長の青年や、パイロットたちと協力する話です。
地上には、少女のようなエンジェルがいた。
あれが、久遠さんをけがさせたエンジェル……あれって、人だよね? でも……。
スズの少し迷っている顔からは、詰まった言葉の端が見える気がした。
スズは、カエデにディスプレイ越しから呼びかけられてうなずく。
「う、うん」
2号機と5号機は、ライフルで注意を引きつけようとするが、くしくも透明な壁であるプロテクトにより跳ね返された。
二機は、右腰に装備されてある鋭い棒を、四連続でエンジェルの彼女に投てきをする。
エンジェルはアメーバのように、ズルンッ、と分かれた。
『よし、分離した!』
ハルトがガッツポーズをする。
だが、スズが聞いたのは、ため息をつき、呆れ声の〝少女たち〟だった。
ほこりを払い、水色のワンピースを両手で整えたエンジェルが、言葉を発する。
「痛いわね」
「え? 今のは」
あのときみたいな? でも、とにかく、やらないと!
5号機は続けて、五メートルのライフルでの攻撃をする。
再び、二体のエンジェルの眼前で透明なプロテクトが張られると、金属音が鳴る。
水色のワンピースを着ているエンジェルが問いかけた。
「ワタシたちを分離させて、どうしようというの?」
水色と桃色のワンピース姿の彼女たちは、入れ替わり立ち替わり、スズを翻弄する。
桃色ワンピースのエンジェルが、横髪を手で払わせながら、軽蔑する。
「ワタシたちは、あのヒトに従ってるのに」
スズが聞く。
「え? あの人って誰?」
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
スズちゃんは、みんなのことを知りたいと思いながら、ほかのみんなは、他人にあまり話せない秘密を持っていたりするので、新米のスズちゃんに話すべきなのどうなのか、そこの調整が難しいんです……。
一方、スズちゃんも、他人には話せない過去がありますので、本人も悩んでおります。
一見、優秀な登場人物でも、実はとても悩んでいたり……など、人間関係の難しさを表せられたらいいな、と思っております。




