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リリムと贖罪  作者: 霧野うみ
第二戦 ステップを合わせて
118/261

翻弄

 この物語は、十三歳(中学生)の橘スズちゃんが、パイロットとしての存在を自問しながら、平和維持組織のノヴァ日本支部の室長の青年や、パイロットたちと協力する話です。



 地上には、少女のようなエンジェルがいた。

 あれが、久遠さんをけがさせたエンジェル……あれって、人だよね? でも……。

 スズの少し迷っている顔からは、詰まった言葉の端が見える気がした。

 スズは、カエデにディスプレイ越しから呼びかけられてうなずく。

「う、うん」

 2号機と5号機は、ライフルで注意を引きつけようとするが、くしくも透明な壁であるプロテクトにより跳ね返された。

 二機は、右腰に装備されてある鋭い棒を、四連続でエンジェルの彼女に投てきをする。

 エンジェルはアメーバのように、ズルンッ、と分かれた。

『よし、分離した!』

 ハルトがガッツポーズをする。

 だが、スズが聞いたのは、ため息をつき、呆れ声の〝少女たち〟だった。

 ほこりを払い、水色のワンピースを両手で整えたエンジェルが、言葉を発する。

「痛いわね」

「え? 今のは」

 あのときみたいな? でも、とにかく、やらないと! 

 5号機は続けて、五メートルのライフルでの攻撃をする。

 再び、二体のエンジェルの眼前(がんぜん)で透明なプロテクトが張られると、金属音が鳴る。

 水色のワンピースを着ているエンジェルが問いかけた。

「ワタシたちを分離させて、どうしようというの?」

 水色と桃色のワンピース姿の彼女たちは、入れ替わり立ち替わり、スズを翻弄(ほんろう)する。

 桃色ワンピースのエンジェルが、横髪を手で払わせながら、軽蔑(けいべつ)する。

「ワタシたちは、あのヒトに従ってるのに」

 スズが聞く。

「え? あの人って誰?」

 最後まで読んでいただき、ありがとうございました!


 スズちゃんは、みんなのことを知りたいと思いながら、ほかのみんなは、他人にあまり話せない秘密を持っていたりするので、新米のスズちゃんに話すべきなのどうなのか、そこの調整が難しいんです……。

 一方、スズちゃんも、他人には話せない過去がありますので、本人も悩んでおります。

 一見、優秀な登場人物でも、実はとても悩んでいたり……など、人間関係の難しさを表せられたらいいな、と思っております。

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