第六話『薬師』
カミィのお手伝いも板についてきて、
もう立派な戦力の一人です!
これで少しはパンジーさんに
楽をさせてあげられればいいんですが。
……実はパンジーさんは最近、
体調を崩す事が多くなりました。
お店に立てない日もあります。
お医者さんに見てもらったところ、
年齢による衰えも勿論ありますが
やはり、病気だったそうです。
心臓が悪くなっていて、病院でも
手の施しようがないのだと。
パンジーさんは動揺する事なく、
淡々と受け入れていました。
……アタシは、パンジーさんに
泣きついちゃいました。
アタシのお母さんみたいな人で、
迷惑かけてばっかりで、恩も返せていないのに。
でもあの人はアタシの頭を軽く撫でた後、
思いっきりほっぺを摘まんで怒ったんです。
「開店の準備をしな!」って。
その日はお客さん達にも、リコにも、
カミィにも心配されました。
泣きすぎて目がパンパンだったので……。
(シンジャさんはいつも通り)
あと、パンジーさんの希望により、
体調が良い日は様子を見ながら
なるべくお店に出てもらう事にしたんです。
「ずっと寝てたら錆びちまうよ」と笑って
お店に立ちたがるパンジーさんに、
アタシはちゃんと笑顔を返せているでしょうか。
「ドモー!
アネモネサーン、ウートウ来たネ!」
「あ、ウートウさん!
来てくださってありがとうございます!」
「帰れ毒タイプ。」
「おかえりはあっちですよ、ウートウさん。」
「嫌ネ嫌ネ!
ウートウお仕事で来たのヨー!」
明るい声を上げながら営業後のお店に
入ってきたのは、薬師のウートウさんです。
元々は遠い東の国の出身だそうで、
旅をしながら薬師としての修行を
積んできたんだそう。
今は基本的にこの領内にいるらしく、
お医者さんから腕の良い薬師だと
紹介をしてもらいました。
パンジーさんのお薬もウートウさんに
作ってもらっていて、薬のお陰か
余命宣告を受けてからだいぶ経ちますけど、
パンジーさんはまだお店に立てています。
「いつもすみません、忙しいでしょうに。」
「無問題! アネモネサンお婆サン想イ。
優しネ優しネ、ウートウ好きヨ。」
「ふふ、ありがとうございます。」
「また猫被りが増えやがったぜ、
蛇が猫の真似しても可愛かねぇよ。」
「シンジャサン、相変わらズ
ガブガブしてくるネ。
ウートウに噛みついてモ
毒の味しかないヨ。」
「そうだよ、可愛いってのは
ボクみたいな子の事だよ。
ね、お母さん!」
「仲良いね。」
「良くねぇ。」「よくない!」「ナイナイヨ!」
息ぴったりなんですよね、この三人。
あとリコもウートウさんと知り合いみたいで、
この前店の前でばったり遭遇した時に
お話ししてました!
やっぱり世間って狭いんだなぁ。
「リコ、ウートウさんとは
知り合いなの?」
「う、うん、し仕事で、ちょっと。」
って言ってたもんね、この前。
よく思えばリコって何の仕事をしてるんだろう。
聞いた事無かったけど……
でも本人が何も言ってきてないなら
聞くべきじゃないかな?
「お母さんに好かれたくて
必死なのがミエミエなんだよね。」
「別に必死でも良くなイ?
ウートウ、アネモネサン好きだかラ
好きになてもらいたいだけヨ!」
「すぐに皮の下がバレるだろによぉ。」
「うるさいよアンタ達!
おちおち寝てられないじゃないか!」
やっぱり仲が良いなぁ。
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名前: ウートウ
顔は良いが、とても胡散臭い男。
ここから東に行った遠い国の生まれ。
薬師の一族に生まれるが、彼らに伝わる
秘伝書を狙った賊に滅ぼされている。
一人だけ生き残っていたところを、
一族が信仰していたとある龍に
助けられて育った。
成人すると同時に、薬師としての
修行を積むべく遠い旅に出る。
餞別として、秘伝書に記された薬の材料である
かの龍の鱗を渡された。
薬師として働く傍ら、毒薬を
“然るべき機関”に融通しており
リコリスとはそちらで知り合った。
アネモネに一目惚れして、自身が
復活させた秘伝書の薬を心臓の薬と
偽って譲っている。
(万病に効き、余命も先延ばしに出来る
非常に高価な万能薬だが、アネモネに少しでも
よく見られたいので躊躇いなく処方した。)
アネモネを連れて故郷へ帰って、
一緒にお店を開くのが夢。
周囲の狂人達が邪魔だなと思っているが、
その狂人達が厄介過ぎて手を下せていない。
〖グラフ見本〗
危険性A……アネモネへの危険性(監禁など)
危険性B……アネモネ以外への危険性
戦闘力……どれだけゴリラか
知力……どれだけ賢いか
個別の何か……アネモネに対して抱いている何か
〖グラフ〗
危険性A……☆☆☆☆
虎視眈々と仲良くなるタイミングを
狙っているが、周囲に毒を盛って
連れ去るのも考えていた危険な男。
その周囲が、正体を知っているリコリス、
勘のいいカモミール、そして毒自体が
効かないシンジャという面子なので
手出しが出来ていない。
危険性B……☆☆☆☆
リコリスに毒を卸しているし、
病死と見せかけて対象を殺すのが
とても上手い。
戦闘力……☆☆☆
襲われたら対処出来る程度。
格闘は得意という訳ではない。
知力……☆☆☆☆☆
滅ぼされた一族の秘伝書の内容を、
僅かな手がかりから復活させたほど。
恋慕度……☆☆☆☆☆
めちゃくちゃ好き。
あの山鳥のメスのような、
目立たない地味さがとても好みらしい。




