約束のひまわり
マルと真悠の間には、ホワイトデー以来、キスとハグ、一緒に寝ることが新たな日課に加わった。
その日課のおかげか、真悠はマルをもう元猫など気にならなくなり、1人の男として見ていた。
マルの眼差しは、以前よりも優しく色気が増した様に感じる。
そんな瞳で見つめられると、ドキドキが止まらずこのままマルとどうにかなってしまい気持ちになるが、マルはキスとハグ以外には真悠には手を出してくる素振りすらない。
マルは、そうゆう気持ちないのかな……
いつもの様に、マルが真悠の隣に腰掛け様とした時に、真悠は仕掛けた。
マルの首に手をかけ、キスをするとそのままマルのシャツを引っ張り、マルに押し倒された格好になる。
「ま……真悠?」
「マル……」
真悠は、ドキドキしながらもマルを至近距離で見つめてみると、マルはニッと笑い真悠をくすぐりだす。
「あははは!辞めて〜!マル」
「あれ?くすぐりあいじゃないの?ゴメンゴメン。
真悠、お風呂そろそろ沸いたから入っておいで」
渋々と真悠がお風呂に向かうと、マルは顔を真っ赤にしてその場にへたり込んだ。
「ダメだよ、真悠……あれは反則だ……狙ってやってんのかな……だとしたら……ダメだよ真悠」
マルは悲しそうな顔でお風呂場を見つめていると、そろそろ夏の訪れが感じられるとテレビのニュースが告げ、そろそろ猛暑がやってくる様だ。
今年の夏は、ひまわりを見に行く約束をしていた事を思い出す。
「針千本のます……か」
ふっと1人思い出し笑いをしていると、お風呂上がりの真悠が牛乳片手に訝しげにマルを見ている。
「何笑ってんの?」
「あれ?真悠いつの間に!!女の子がカラスの行水なんていけません」
「何それ?どっから仕入れた情報?」
「隣のマダム。
それはそうと、明日から猛暑だって」
「じゃあ、そろそろマルと約束した、ひまわりもそろそろだね」
「楽しみだな」
そう笑ったマルとの約束は、果たされなかった。




