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小さな愛が灯る場所  作者: 浮世雲のジュン
第2章:灯台の約束

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31話 『雪の夜、灯台は静かに光る』

31話 『雪の夜、灯台は静かに光る』

外は静かに雪が降り積もっていました。透は窓辺に立ち、息を白くしながら小さなランタンを手に取ります。文子さんが温かいお茶を淹れ、そっとテーブルに置きました。「冬はね、体も心も冷えやすい季節だね。

今日は無理に温めようとしなくていいのよ。」あなたが今、

布団の中で体を丸めているなら、

そのままでもいい。寒さが骨まで染みる日、

息をするのも少し億劫な日、

「今日も冬が来てしまった」と思った瞬間も、

全部、ちゃんと見えているよ。雪は、すべてを白く覆い隠してくれる。

あなたの「できなかったこと」や「動けなかったこと」を、

そっと優しく包んでくれる。灯台の光は、雪の夜でも消えない。

ただ、いつもより少し柔らかく、淡く届く。

強すぎる光はかえって目を焼くから、

今日はこの小さなランタンで十分なんだ。文子さんが微笑みながら言いました。

「半分でいいの。

今日はお茶を一口飲めただけで、今日は大成功だよ。

あなたも、そうでいいのよ。」透が窓の外の雪景色を眺めながら、静かに続けます。

「雪明かりって知ってる?

雪が降ると、夜でも少しだけ周りが明るくなるんだ。

人工の光じゃなくて、雪そのものが優しく光を反射する。 あなたへ。

今、心の中が真っ暗に感じても、

あなた自身が、誰かの雪明かりになれているかもしれない。

気づかなくても、ただそこにいるだけで、

淡い光を届けているよ。」寒くて何もしたくない日も、

布団から出られなくて一日が過ぎてしまった日も、

それでいい。冬は、冬眠する生き物がいるように、

「少し休んでいい季節」なんだ。

無理に春を急がなくていい。

あなたのペースで、ゆっくり息をしていればいい。文子さんがランタンの火を少し調整しながら、

「強がらなくていいの。

今日は寒さに寄りかかって、

心臓の音を聞いていていい。」透が頷きます。

「遠い日のあなたへ。

雪が積もるように、

この物語もそっとあなたのそばに積もっていく。

いつか溶けるときには、

少しだけ温かさが残っているといいね。」夜が深まり、雪の音が静かに部屋を包みます。あなたが今、

誰にも言えなくて胸の奥にしまっている「寒さ」や「寂しさ」、

全部、この雪とこの物語が、代わりに受け止めているよ。だから、

もう少しだけ、このページに寄りかかっていて。

ここは、あなたの温もりになるよ。文子さんが最後に、優しく言いました。

「冬の夜は長いけど、

灯台は決して消えない。

あなたがここにいるために、

この光はあるのよ。」透が静かに付け加えます。

「生きていてくれて、ありがとう。

雪が溶けるまで、

無理をしないで、あなたのままで。」——雪の夜の灯台の光は、

いつでもあなたの心に、

淡く、優しく、ちゃんと届いています。あなたは、今日も冬を生きてくれて、ありがとう。

眠れない夜でも、灯台はあなたの方角を向いたまま、静かに光っている。

雪がやむころ、あなたの心にだけ、ひと足早く春が触れますように。

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