22話 『読んでくれてるあなたへ』
22話 『読んでくれてるあなたへ』
透がふと窓の外を見ながら言いました。
「もし、これを読んでいる誰かが“遠い日”にいるなら……」
文子さんも、そっと続けました。
「読んでいるあなたも、今日は半分でいいのよ」
もし、これを読んでいるあなたが
いま少しだけ疲れていたり、
胸の奥がふるふるしていたり、
どこにも足場が見えない日を過ごしているのなら——
どうか、この一瞬だけは、
涙をこぼしてもいいんだよ。
涙は、心の汗。
流れたぶんだけ、
あなたの中の重さが、
すこし鈴やかに、軽くなる。
雫のように落ちる涙は、
弱さじゃなくて、
あなたが今日を生きた証なんだ。
途中で止まってもいい。
途中で戻ってもいい。
今日は半分でいい。
あなたがいま、
どんな“遠い日”にいても、
どんな“砂嵐の日”にいても、
どんな“ふるふるの日”にいても——
灯台の光は、
あなたの心に届くところまで、
ちゃんと届いている。
あなたは、
弱さを抱えたままでも、
今日を生きている。
それだけで、
本当にすごいことなんだよ。
この章まで読んでくださって、ありがとうございます。
もし、あなたがいま「お便りを書こうかな」と思ってくれたなら、
どうか、その気持ちをそっと私に届けてください。
長い感想じゃなくていいんです。
一言でいい。
「今日は半分だけにした」でも、
「癒された」でも、
「何書いてんだよ〜」でも、
それで十分なんです。
あなたの言葉が届いたという事実だけで、
私は救われます。
涙は、心の汗だと私は思っています。
流れた涙は、清く、鈴やかになって、
身も心も少し軽くなる。
雫は、涙でいい。
この一瞬だけでも、
あなたの涙が落ちる場所になれたなら、
それだけで、この物語を書いた意味があります。
どうか、あなたの“いま”を、
そっと置いていってください。




