知り合い以上友達未満
「では、ふるちゃん、ありがとう。おいしかったよ。ちゃんとチケット朝の分と今の分と今日は2枚ちぎるんだよ」
「でも、私がサファルさんにコインを返したくて、留さんがサファルさんを呼びに行ってくれたおかげで……」
ニコニコと笑って留さんはそれ以上何も言わずに店を出て行った。
……お礼は今度別の形で考えよう。
立ち尽くして留さんの背中を見送る。
「手品……だったか?あれは本当に……みるみる怪我が治ったように見えた……」
社長がポケットからベーゴマを取り出して見ていた。
「ああ、そのベーゴマ、さっきのサファルさんがくれたものなんです」
私の言葉に社長がはっとする。
「まさか、いや、だが……可能性は……でも、コーヒーはただのコーヒーだった。……だけど、彼らは明らかに顔色が……」
社長がぶつぶつと考え事を始めたようだ。
うん、しばらくそっとしておきましょう。
空になった皿やカップを下げて軽く洗って食洗器へ。あとスコーンを作るときに使ったものも一緒に入れてスイッチオン。
出来上がったスコーンは冷めるのを待って保存容器に移す。
大きなタッパー。明日使う分は冷蔵も冷凍もせずとも大丈夫だ。ちなみにスコーンは冷凍すれば2週間ほど大丈夫で、電子レンジで解凍したあとオーブンで数分焼けば焼きたてのように美味しく食べられる。
本当は冷凍したものを出さないようにしたいんだけれど、天候などで客足が思ったほど伸びずに余ったら冷凍保存して別の日に回せるというのもスコーンのいいところだ。
……まぁ、さすがにそこまでは社長には内緒だけどね。
ちなみに、スコーン10個分のうちのレシピ。数字を覚えやすいようにしてる。甘味控えめの、強力粉を使わない軽い食感。
バター50g
薄力粉200g
ベーキングパウダー15g
砂糖15g
牛乳60g
卵1個(およそ60g)
作り方の手順は簡単。液体系を混ぜておく、粉系と細かく刻んだバターをフードプロセッサーで混ぜる。液体を入れてざっくり混ぜる。
ざっくり混ぜた生地を広げて3~4回折りたたむ。打ち粉たっぷりがお勧め。2センチくらいの暑さに広げ、丸い型抜きで抜いて高温で予熱しておいたオーブンで200度で15分。
「ふるピョン……いや、あの古田さん」
社長が立ち上がってレジ前に来た。
「彼らは……よく来るんですか?」
社長の質問の彼らとは、サファルさんと留さんのことだろう。
「ええ、留さんはお店がオープンした時からモーニングタイムによく来てくれます。サファルさんはえーっと、チケットを買ってくれたので、たぶん来てくれるとは思いますが……」
社長がうんと頷いた。
「毛利さんは、よく通ってくるんだ……」
ああ、そうでした。留さんは毛利さんっていうんですね。
「ふるピョン、あ、いや古田さん、僕にもチケットを売ってください。また来ます。毛利さん……留さんと話したいこともあるし」
留さんと話たいこと?
ゲームのことかな。
もうすでに会社は辞めて現役ではないとはいえ、伝説といわれるゲームの開発者だ。
きっと、社長と留さんは私ができないようなゲームの話ができるんじゃないかな。
「はい、留さんも社長が友達になってくれたら嬉しいんじゃないかと思います」
「と、友達?そんな恐れ多いっ」
ご覧いただきありがとうございます。
重複投稿始めました。
https://www.alphapolis.co.jp/novel/531373064/957338333
アルファポリスさんです。差分は……「あとがき」です。気ままにあとがきめっちゃ書いてます。重複する部分もありますが、あとがき文章は完全書下ろし<(_ _)>興味のある人はあとがき読みに行ってください。(っていう、あとがき読んでっていう謎のあとがき……いや、もう、だってさ)
モーニングのこと書きすぎて、うっかり書くの忘れてた裏話。
社長の高橋さんと、留さんの毛利さん。
高橋、毛利……ゲーム会社……何かピンときたら、それです。
会社名は、社長は愛知県にあるゲーム会社のあそこを文字っています。なぞらー……おっと。
留さんの会社は、日本で一番大きくて有名なゲーム会社ってどこかな?と思ってつけました。
っていう、まぁ、ちょこちょこネタ放り込んであるんですが。どうでもいいお話でした。
いや、それがね、キャラの名前覚えるのがすごく苦手なんで。覚えやすいように(自分が)何かに関連付けないと忘れちゃうんです。
ちなみに、前回は「カーツ、レイ、キリカ」+「ブライス」と、いう名前を4人出てきた子供達と子供たちのリーダー的キャラに名付けまして。
ええ、覚えやすいようにアレから取ったんですが、書き進めて行くうちに、「レイ」いらないなと。抹消されました。……主人公のレイじゃないよ?れt……おっと、誰か来たようだ
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