コーヒーですけど
「いや、魔石も確かに魔力を内包してはいるが、魔石は大きさで内包できる魔力の量は左右されるが、マジニウムは大きさに左右されることはない……というか、測定値の上限を超えてしまうからその限界は分からないんだ」
「ほう、では魔石よりも価値があるってことか?」
価値がある?って言った?
「そうでもないんだよ。魔力を内包をしているが、魔石のようにその魔力を取り出す方法が見つかっていない」
「魔力吸引、魔力強奪といったような魔法で利用できるんじゃないのか?」
いや、まって、留さん、なんか普通に会話してるよ?
「それが、魔法は一切受け付けないんだよ、マジニウムは。だから貴重な金属ではあるんだが、硬貨としてしか利用されていない。魔法を受け付けないから逆に偽造されにくく、高額硬貨としては優秀ではある」
高額硬貨?
あ、そうだ!忘れないうちに!
「お待たせいたしました。どうぞ。サファルさんとおよびしてもいいですか?」
キャラの名前なのか本人の名前なのか、もしかして俳優としての役名なのか、よくわからないけれど個人を識別できればいいので、本人が嫌がらない名前で呼べればそれでいいかな。
「ああ、サファルでいい。えーっと、お嬢ちゃんはなんて呼べばいい?」
「お、お嬢ちゃん?えーっと……」
サファルさんの言葉に、ぎょっとなる。
留さんがぷっと笑っている。
「サファル、もしかしてふるちゃんのことを子供だと思ってないかい?」
う。
「え?いや、子供だろう?ああ、違う、かろうじて成人はしてるのか?どちらにしてもお俺から見れば、子供だけどな」
「くくく、いや、まぁふるちゃんは日本人の目から見ても若く見えるけどな、子供という年齢じゃないよな?」
留さん、笑い過ぎです。
「ふるちゃん?」
「古田瑠璃です」
留さんがこくんと頷いた。
「ああ、そうか。お店の名前の喫茶ふるるとは、ふるたるり、略してふるるなのかい?瑠璃ちゃんか。うん、いい名前だ」
「ありがとうございます」
「あー……」
サファルさんが大きな体を縮めて頭をかいた。
「す、すまなかった……子供だと言って……その……」
本当に申し訳ないと思っている様子が表情から分かる。
まぁ身長が低くて割と童顔なんで、20代半ばでもノーメイクじゃ高校生やひどいときには中学生に間違えられてたりしたからそんなに気にしてはいないんだけど。
日本では褒め言葉の「若く見えますね」は別の国では「お前は知性がない、子供かよ」という嘲りの意味になると聞いたこともあるし。
「この国では若く見えるっていうのは褒め言葉なので、褒められたと思っておきますね。ああ、それよりも……サファルさんにお返ししないといけないものがあって」
急いで金貨や他のコインをサファルさんに差し出す。それから換金してコーヒー代を差し引いた残りの日本円。
「小金貨を1枚だけ換金して日本円に……この国のお金に換えて、コーヒー代はそこからいただきました。これはおつりです」
「え?いや、小金貨1枚じゃ、全く足りないだろう?エリクサーがそんな金額で手に入るなんて話は聞いたことがない」
「エリクサーですと?」
いや、エリクサーって何?コーヒーですけど。
コーヒーです。
ふるちゃん特製ブレンドコーヒーです(*'ω'*)




