ここはずっと地球です
たった1日見なかっただけで、ずいぶん若返ったように見える。
そうだ、杖をついていないからだ。
「杖なしでも大丈夫なんですか?」
水とおしぼりを出しながら留さんに話しかける。
「ああ、この間もらったベーゴマのおかげでな。すっかり元気になったよ」
ベーゴマのおかげ?
ベーゴマを回して遊んだおかげで、足腰が鍛えられたとか?いや、それにしても、わずか1日で杖がいらないまで足腰が鍛えられるだろうか?
そもそも、鍛えたからって、杖が不要になったりする?
まぁいいか。ベーゴマが留さんの役に立たことは間違いないので、うん。
なりきりレイヤーさんもに感謝だよね。
「いつものでいいですか?モーニングは何にしますか?」
モーニングメニューを見せる。プリントアウトしたものだ。
通常モーニングは、トーストとサラダとプチデザートとゆで卵と本日の一品。今日はツナマヨパスタ。
トーストは、小倉トーストとジャムトーストとシナモントーストとマーマレードトーストが選べる。
もう一種類は、サンドイッチとサラダとプチデザートと本日の一品。ゆで卵の卵が卵サンドに変わったものだ。手間が少しかかるけれど、ある程度の数をまとめて作ってあるので1回ずつトーストを焼くことを考えればどっちも同じかなと思う。
留さんのいつものはホットコーヒー。少し薄目。
「うんそうだね、いつもの頼むよ。モーニングもいつもので」
「はい。かしこまりました」
留さんがニコニコと嬉しそうにカウンターでこちらを見ている。
「何か、いいことありましたか?」
「いや、うん……。ふるちゃんとこに通いだしてからいいことばかりだよ。まさか……もう一度あの時のように体が動かせるなんて……」
あの時?
「それに、いつもので通じるのは嬉しいね。会社辞めちゃうとさ、自分のことを知ってくれてる人ってのが周りにこんなにいなかったのかって驚いたよ」
留さんがちょっと眉尻を下げた。定年退職して半年ほどだと前に聞いている。
「何をするにも周りは見知らぬ人。……会社勤めのころはさ、会社に行けば知った顔がいるのが当たり前で、あいさつもするし、世間話もするけれどね……。近所づきあいもしてこなかったし、家族もいないだろう。本当に孤独でさぁ」
それまで仕事が好きで仕事ばかりしていた人に多いという話を別の人から聞いたことがある。
顔見知りは仕事関係の人ばかりで、仕事を辞めたとたんに人とのつながりが消えてしまう。だから、仕事ばかりでなく働いている間に趣味の仲間や近所づきあいはしておいた方がいいと……。一生懸命働いたのに孤独を感じる人生しか残っていないなんて……。
「これからたくさんお友達を作れますよ。そうだ、足が動くようになったのなら、ゲートボールとかどうですか?店にも、ゲートボール帰りに寄ってくださる方が何人かいて」
「ふふ、ありがとうふるちゃん。知ってるよ、少しばかり年上のお姉さま方だろう?」
留さんの物言いに思わず笑みが漏れる。
そうだ。留さんはまだ60代だろう。ゲートボール帰りに寄ってくださる方たちは、70代や80代の元気なシルバーさんたちだ。
確かに、留さんから見れば年上のお姉さま方だ。
ご覧いただきありがとうございます。
はっきりいって、登場人物がそろうまでが大変……(´・ω・`)
何か間違った気がしないでもない。
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