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そう簡単に異世界を味わえると思うなよっ!  作者: はれ
第10 丹川蘭次
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89 裏の裏

  俺と、神と、『魔力の溜め池』これらを一直線に繋げば、勝つ可能性が出てくる。

 

 俺には……最後の攻撃方法がある。目的はその攻撃で魔力の溜め池を壊すことだ。あれさえ壊れれば、異世界は消える。だが、今魔力の溜め池を攻撃しようとしたら神に邪魔されるだろう。


 (だから――神を攻撃すると見せかけて、魔力の溜め池を壊す……それしかない!)


 俺の最後の攻撃方法は時間と集中が必要だ。フェイントなんかは一切使えない。だからこそ――俺と神と魔力の溜め池を繋ぐ必要があるのだ。

 でも、どうやって繋ぐ?俺から動くか。いや、不用意な動きをすればこの作戦はおじゃんだ。だが、神の動きを誘導するにしても同じ危険性をはらんでいる。


 「蘭次君!」

 

 パァン――!!椎名の銃弾が、高速回転しながら俺に迫ってくる。だが、当たらない。正確には、当たるのは――


 『銃弾弾き――』


 俺の剣に銃弾が当たる。赤熱した銃弾は神に向かって突き進んでいく。

 

 「ええいしつこいわ!」


 またしても神は瞬間移動で避ける。

 おそらく……椎名の銃と俺の近接攻撃を絡めれば多少は神の動きを誘導できるはずだ。その間に凜が戦闘できるまで回復したらなおさらやりやすくなる。

 

 「貴様ら……何か……企んでいるな」

 「何言ってんだ神様よ。企まなきゃこの状況どうにもできねえだろ」

 「まだあきらめないのか……それなら」


 そう言うと神は俺達に背を向けた。

 なんだ。なんであいつは背を向けた。ダメだ。そっちに行くな――何で?


 そう、神が背を向けた側には――


 ――魔崎が――


 一瞬、俺の動きは凍ったように止まる。神は魔崎に近付いていった。殺しに行ったのか?いや違うはずだ。今魔崎を殺しても神にとってのメリットはほとんどない。

 神は――カミは――


 「それなら、こうしたらお前らの企みはどうなる?」

 

 神は……魔崎の首を掴んで引き上げる。


 「いやっ……!」


 魔崎は声を上げるが、抵抗することも出来ず、神に体を持ち上げられている。

 

 魔崎は――



 神に、人質にされたのだ。 


 


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