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そう簡単に異世界を味わえると思うなよっ!  作者: はれ
第3 美永凜
8/97

8 新キャラ。それは……

  「蘭次様。異世界への移送、完了しましたよ」

 「ん、ああ……」 



 余計なことを考えているうちに、いつの間にか異世界に来ていたらしい。


 「ええと、俺は何をすればいいんだっけ」

 「大丈夫ですか?蘭次様。『フレンドシステム』を利用してチームを作るために、この世界に来ている人を探すんですよ」


 「ああ、そうだったな」


 荒野を歩き出す。まだ人の世界は見えてない。

 「そういえば、この世界には何人くらいいるんだ?」

 「えーと……」

 魔崎がどこからかノートを取り出してパラパラとめくる。


 「だいたい一〇〇万人位ですね」


 「そんなにいるのか!?」

 「そこまで驚くことですか?地球には人間が七十億人いるんですよ」

 「まじかよ……言葉とかはどうしてるんだよ」

 「実は、それぞれの人が話している言葉にすべて自動変換されているんです」


 そうなのか……ていうか、異世界に十万回思いを募らせた奴が一〇〇万人いるってことかよ……変な奴ばっかだな。まあ、俺が言えたことじゃないけど。


 「君は新入り?まあ新入りとかベテランとか、あってないようなものだけど」


 不意に横から言葉をかけられてそちらを向く。そこにはとても整った顔立ちをした、金髪の男がいた。


 「……モデルみたいだな」


 思わずそんな言葉が出る。その男は身長も高く、スタイルもよくてまさにモデル体型といった感じだった。

 「ありがとう、でも僕はモデルほど美しくないよ」

 「……あ、ああ。すまん。ついそんなことを」

 「いや、嬉しかったよ。ところで君の名前は?」

 「お、俺か?俺は、丹川蘭次だ」


 「蘭次君だね。僕は中川椎名(なかがわしいな)だよ。よろしくね」


 と言いって手を出してくる。

 「お、おう。よろしく、椎名」

 椎名が差し出してきた手を握る。


 「それじゃ、せっかくここで会えたんだし、僕とチームを組もうか?今僕は人を探していたところなんだ。君もそうかい?」


 「ああ。そうだ。いいぞ。チームを組もう」

 握っていた手を、さらに強く握る。


 「それではチーム結成ですね!一週間後までにチーム名を出してください!また、他の人をチームへと加盟させるのもいつでもオーケーですよ!」


 魔崎がそんなことを言ってきた。


 「チーム名?」 


 「まあ、あとで決めればいいんじゃないかな?これからまたこのチームに入ってくる人もいるかもしれないし」

 そんなに気にしなくてもいいよ。と椎名が俺に言う。

 「それじゃあ、もう少し歩いてみようよ。また誰かこのチームに入ってくるかもしれないし」

 「……そうだな。そうするか」

 「うん。ちなみに、蘭次君は何歳?」

 「俺か?十七歳だけど……」

 「じゃあ、僕のほうが七歳年上だね」

 「えっ!?」

 七歳ってことは、二十四歳か!?全然年上じゃないか!

 「そんなに驚かなくても。別にため口で大丈夫だよ」

 「そ、そうか……じゃあ、就職したりしてるのか?」

 「いや。ニートだよ?」


 そんなさわやかに言ってもニートはニートだろぉぉぉぉーーーーーーー!!!!!!


 そんな言葉が口まで上がってきたが、ぐっと喉奥に押し込んだ。

 「そ、そうなんだ……」


 「うん。所であそこにいるのは女の子じゃないかな?一人みたいだけど……」


 そう言われて椎名が指した方向を向くと、そこには確かに黒いフードを被った女の子がいた。すると向こうもこちらに気づいたようで、こっちに近づいてきて――


 「……サンダー」


 「うぎゃああああああああああああ!!!!!!!!」

 ……近づいてきて、雷の魔法を放ってきた。

 「蘭次君ー?大丈夫ー?」


 椎名が俺が倒れている傍に来て、心配してくれたが……

 「大丈夫じゃ……ない。っていうか、なんでいきなりこんなことしてくるんだよ!!!!」

 俺は怒りに震えて雷の魔法を放ってきた女の子を問い詰める


 「……特に意味はないわ。強いて言うなら……顔が気に入らなかったのよ」

 「そんな理由で!?お前おかしいんじゃないか!?」

 「あー、ところで君。うちのチームに入ってみないかい?」

 「正気か椎名!?突然こっちに魔法をぶっ放してきた女だぞ!?」

 「……いいわ」

 「はいぃぃぃ!!??」

 「それはよかった。君、名前は?」


 「美永凜(みながりん)よ」


 「凜ちゃんね。よろしく」

 「……よろしく」


 「俺を無視して話を進めるなぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!」


 勝手に話が進んでいく。二人とも俺を何だと思ってるんだ……?

 「うん。それで凜ちゃんは何歳?」

 「十七歳よ」

 「あ、じゃあ俺と一緒じゃん。お前も高校生か?」

 「いいえ。私は……『自宅警備業』よ」


 「それはただのニートだろぉぉぉぉぉぉぉぉーーーーーーーーー!!!!!!!!」

 

  

 

 こうして凸凹(?)チームが出来上がった

読んでくれた皆さんありがとうございます。次の話は設定の説明になると思います。

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