72 始まりの終わり、終わりの始まり
「蘭次様!すごいです!私、感動しちゃいました!」
転送装置に戻ると、魔崎が物凄い笑顔で祝福してくれた。
「あ、ありがとう」
「私だけじゃないです!皆さんの雄姿を見てた人たちも感動したって言ってます!」
『すごい戦いだったな!』
『あんたら強いな!あんな剣どうやって呼び出したんだ!?』
『あなたの魔法すごい……どうやったの?』
「いや、その俺達は……」
あちこちから賞賛の声が響いてきて、俺達は戸惑ってしまう。
「蘭次様……本当にお疲れさまでした」
沢山の人に囲まれた俺達を、魔崎が遠くから微笑んでいた。
――――
『チーム・タクティクスは、異世界戦を優勝し――』
表彰って……学校じゃないんだし、わざわざそんな事しなくても……
『ここに授与する』
「ほら、行ってきなよ蘭次君」
「あなたが行ってきなさい」
「え、お俺!?」
こんな沢山の人が見てる中表彰とか恥ずかしすぎるだろ、公開処刑か!?
「早くいきなさい!」
凜に強引に押し出された。全く乱暴な。
仕方なく俺は歩いて表彰状を持っている人に近付く。この人……なんか特徴無いなあ。まあどうでもいいが。
賞状を受け取る。あれ、この賞状紙じゃないな?何だこの素材。
「おめでとう。丹川蘭次君」
「え、あ、はい。ありがとうございます」
「本当におめでとう。君達なら、どんな困難も跳ね返せるだろう」
「い、いやあ。そんな大袈裟なものじゃないですよ」
「いや、その通りさ。これから来る地獄にも、最後まで生き残れるだろう」
――え?
『ぐあああぁぁぁ!!!』
――突如、後ろのほうで叫び声が上がる。
『な、なんだなんだ!?』
『一体何が起こったの!?」
一気に騒がしくなる会場。どうしたんだ?
「聞くがよい!たった今からこの異世界は――本当に死ぬ世界となった!」
(な、なにを言ってるんだあいつは……本当に、死ぬ世界?)
「そして今後方で、天界の反乱が起こった!いいか、お前達の仲間だと思ってた者は……天界の人間が潜んでる!」
その言葉で、騒がしかった会場が一層騒がしくなる。それと同時に――
『んなっ!!や、やめろお前!!』
『突然どうしたんだよ!なあ、おい!』
またもや後方から声が上がる。まさか……嘘だろ……!?
「お前達は今からパーティー毎にバラバラの場所に飛ばされる。まあ精々生き残ってみろ」
いつの間にか、天界の人間と思われる奴らが俺達を囲んでいる。
「クソッ!このままじゃ――」
「蘭次、落ち着いて!ここで下手に動くのは自殺行為よ!」
「くっ……」
それもそうだ。ここはおとなしく運ばれるか……。
『クリエイション』
天界の人間が同時に言い、俺達は光に包まれた……。




