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そう簡単に異世界を味わえると思うなよっ!  作者: はれ
第7 美永翔
54/97

51 銃、剣、魔法

  思いっきり開けたドア――その部屋の中に、

 (――いた――!!)

 大山を攫った男、翔の姿があった。

 パァン――!

 誰よりも早く、椎名が発砲した。だが、この距離なら翔は避けるかもしれない。いや、避けるだろう。俺と戦った時のあいつの能力なら当たらないはずだ。

 俺はそう思ったが、

 「ぐっ……!」

 (……当たった!?)

 見間違いではない。椎名が撃った弾は、翔の腹部に当たっている。だが、服の下に何か防弾性の物を仕込んでたのか、ダメージは打撲だけで済んだようだ。

 ……チッ、だが、それならそれで構わない!

 「……うーん、避けにくいお腹の方を狙ったんだけど、これなら頭でも狙った方が良かったかな?」

 苦笑いしながらそう呟いた椎名の声を背に、俺は駆ける。さっきの動き――椎名の銃弾を避けれない程度の動きなら、俺は翔を倒せる!

 「食らいなっ――!!」

 俺は真っ直ぐに剣を突き出す。狙いは、避けにくく致命傷になりやすい肝臓だ。

 「ああクソッ、面倒くせえ奴らだなぁ……!」

 翔は苦々しく吐き捨て、俺の剣を――

  

 避けた。


 (――!?まずいっ……!)

 避けられた。椎名の弾は避けれなかったのに。だが、問題はそこではない。

 剣が……木造の部屋に俺の剣が刺さってしまった。変に刃が噛んでしまったのか、抜くのにも時間がかかるぞ。

 「……っ!!」

 仕方なく一旦前転で距離を取る。そしてさっきまで俺の頭があった位置に、翔の拳があった。

「全くよぉ……しつけぇ奴らだぜ。うっとおしいんだよ!!」

 なおも翔は俺に迫ってきたが――

 「エアロ――!!」

 凜の魔法が翔に襲い掛かる。翔はそれをまともに受ける。

 「ぐぅぅ……!」

 翔は倒れこそしなかったが、苦しそうな声を上げ、片膝をついた。

 「蘭次君!!」

 椎名が発砲する。その銃弾は二度は翔には当たらなかった。だが、その避けた挙動に隙が生まれ――


 (――今だ!!)


 椎名が発砲した隙に素早く刺さった剣を抜き、超スピードで翔に迫る。そして、剣を振りかぶる。

 俺はその振りかぶった剣を――空中に放り投げた(・・・・・・・・)

 そう、俺の動きはフェイント――狙いは、

 「エアロッ――!!」

 さっき翔に大きなダメージを与えた、凜の魔法――!!!!


 「エアロ――」

 

 (……え?)

 今のは……誰の声だ?いや、誰って、凜に決まってる。だって、魔法を使えるのはこの中では凜だけで、だから凜が言った言葉に違いなくて――

 

 (……違う、今のは……!)

 凜でも、椎名でも、俺でもない。

 

 ――翔――

 こいつが、凜と同じ魔法を、凜が放った魔法に向かって、

 

 放ったのだ――


 

 


いやーしばらく更新が遅れてしまいました。誠に申し訳ありません。

これからはガンガンに更新していきますのでどうかお許しを

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