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そう簡単に異世界を味わえると思うなよっ!  作者: はれ
第6 一ノ関歩
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39.5 花火

 「お前、もしかして……凜じゃないか?」

 「はあ?確かに私は凜って名前よ。でもあなたになんか会ったことないわよ?」

 いや、その声と口調……完全に凜のものなんだが。


 「ならこれはなんだ!」

 俺は魔法表を凜に見せる。 

 「……あんた、こんなもの書いてるなんて……中二病?」

 「ち、違うわ!これはここに落ちてたもので――」

 「はいはい、中二病ね」

 こ、こいつ……意地でも認めないつもりか。

 「ていうかあんた、見ず知らずに人に自分の中二病アピールして知りあい面するとか……大丈夫?」

 「大丈夫だ!てかいつまで白を切るんだよ!」

 「大丈夫なのね。じゃあ、バイト頑張って」

 そう言って魔崎は何処かに行ってしまった。


 「逃げられたぁぁぁぁ!!!!」


 というか、最初見たときはあんな弱々しい口調だったのに、俺を見た瞬間強気になるとか凜以外に誰がいるんだよ。

 

 それからも、のらりくらりと逃げられ……

 

 「もうバイト最終日かー。がっつり働いたから早く感じたなー」

 「そうだな」

 もう、ムキに凜の正体を暴く必要はないのだろうか。そもそも冷静に考えたら、本当に凜かどうかもわからんし。


 「皆さん、本当に頑張ってくれましたね。祭りが行われている間は特にやることが無いので、祭りに行ってきてもいいですよ」

 「本当っすか!?よっしぁ行こうぜお前ら!」

 「佐藤……はしゃぎすぎ」


 まあ、とりあえずは祭りを楽しむか。


 「さーて食うか!まずは屋台の飯をあらかた……」

 「バイトしにきたのにその金を現地で落とすのか……」

 まあ、屋台は安いし大丈夫か。

 「おい蘭次!お前ずっと女将さんの娘をチラチラ見てたけど、お前あの子が気になってるのか?」

 「は?いやいや何を言って――」

 「こ・くはく!こ・くはく!」

 「てめえら……殺す」


 田中たちと追いかけっこしたりして……

 (なんか……現実世界に居ても、意外と楽しいんだな)

 友達とバカやるのは好きだし、今回のバイトもよかった。でも俺は、今までに何十万回も異世界に行きたいと思っていて……

 (ただ、異世界も現実世界も、同じような気がするんだ)

 ただ言えることは、どっちも捨てたもんじゃないって事。


 「おーい!蘭次ー!こっち来いよー!」

 「ああ」

 山田に呼ばれて足を動かそうとしたその時、視界の横に見覚えのある姿が。

 ……凜?あんな茂みの奥へ……何するつもりだ。

 気になるな、ついていってみよう。


 茂みを抜けた先には……

 (猫?)

 ニァーンと小さく鳴く猫がいた。

 「なるほど、ここの猫に餌を与えるために茂みに入ってっ――」

 「殺す!」

 さっきの追いかけっことは比にならないさっきが襲う。ついでに拳も。

 ……が、全然痛くない。

 「おいおい凜、ここは異世界じゃないんだぜ。そんなヘナチョコパンチ、聞くわけないだろ」

 「ふん……後で覚えてなさいよ」


 猫に餌を与えるため後ろを向いた凜は、もう否定しようとはしてなかった。

 「まさかお前がここにいるとはな。あそこで働いてるのか?」

 「まあ話は……別にいいでしょ」

 今、話題を嫌ったな。まあ凜の事だからうまくいってない事情もあるんだろうけど。


 「……あなた、覚悟はいい?」

 「覚悟って、何の覚悟だよ」

 「異世界よ。あなたが考えてるほどあの世界は甘くない……地獄を見るわよ」

 いつもの凜の鋭い目が俺を見つめる。

 「一度突っ込んだ足だ。しかも自分からなんだ。引き返さないよ」

 「……そう」


 花火の音がした。それは見事で大きい花火だった。

 俺は約束をした。お返しに凜を助けると。

 「いつかあの恩は返すからな」

 「なるべく早くしなさいよ?」

 

 花火の音は、どこまでも続いていた。


ということで次から新しい感じで行きます!

どうしよーかなー。やっぱり凜を目立たそう!

その次は……これも凜を目立たそう!

この次(ry


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