表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
そう簡単に異世界を味わえると思うなよっ!  作者: はれ
第2 校長先生
4/97

4 だめだ、いやな予感しかない

  「え~っとそれなんですけど……これもあらかじめ言っておかなくてはならないことでして……」

 「だから先に言ってよ!」

 「すいませんすいませんちゅいません!」

 「そ、そんなに謝らなくてもいいよ!噛んでるよ!」

 「はい……それで、この世界なんですけど、」


 少し前のリプレイを見るように、魔崎がさっきと同じように話し始めた。


 「登場人物が現実を基にしているので、蘭次様の知り合いが出てくるんです」

 「え……それじゃあこの世界に出てくる奴は全員俺の知り合いじゃないの!?」

 「……そうなりますね……」

 「いやいやいやいやいやいや、それはだめでしょ!」

 「駄目ですか?」

 「駄目に決まってんだろ!なんの新鮮味もないじゃないか!」

 「大丈夫ですよ!知ってる人だと思わなければいいんですよ!」

 「それは無理があるんじゃ――おぉぉ!?」

 そんなことを言ってたら、盗賊(田中)が剣を振るってきた。

 「あ、あぶねぇー!」

 「……そこの女を、こっちによこせ……」


 盗賊(佐藤)がそんなことを言ってきた。

 「きゃー!助けてください蘭次様ー!」

 「いやだから無理があるだろ!?」

 「いいから!早く戦ってください!」

 「俺が怒られるのかよ!――っと!」

 盗賊(田中)が上から振るってきたナイフを俺は剣を横にして受け止める。

 ガキンッ。と音がしてナイフと剣がぶつかり合う。


 脆いと思っていたアルミ製の剣だが、意外なまでに相手のナイフをしっかり受け止めていた。

 (そういえば、アルミといえども金属だもんな……ちょっとアルミを馬鹿にしすぎたかな)

 相手が今度は横から振るってきた剣を、俺はかがんでよけた。 


 (あれ……?なんか変な感覚だな。やけに体が軽い。というか相手の動きがわかってる感じだ)


 ふと魔崎の言葉を思い出す。『蘭次様が十万回異世界に思いを募らせてたからです』


 (確かに、俺が頭でで考えてたことって戦いのことばっかりだったからな。現実がこの世界に反映されるなら、こんなにいい感じなのも納得だな)

 相手の剣をかわした後、素早く相手の懐に迫り剣を当てる。アルミ製の剣だと斬るというより叩く。ていう感じだな

 

 ――やっぱり、いいな。


 もう一人の敵もナイフで切りかかってきたが、剣で弾いてそのまま相手に叩きつける。


 ――そうなんだ。俺が求めていたものは。


 最後の敵(山田)は弓をこちらに構えて矢を放ってきたが、これも剣で弾く。そして一瞬で倒していく。


 ――この世界も、悪くないな!


 「わぁ~!すごいですね蘭次様!私が今まで見てきた中で一番ですよ!」

 「え?そう?」


 「ええ!やっぱり戦いのことばっかり考えてると強いですね!」

 「それはちょっと傷付くなぁ……」

 ぼやきつつ、ふぅ。と息をつく。

 「そういえば、なんでこいつらは盗賊の恰好なんだ?」

 「それはですね、蘭次様がこの人たちに女を欲している。という印象を持っていたからです。だから女が欲しい=女を盗む。ということで、盗賊なんじゃないですか?そういえば、蘭次様の通っている学校は男子校なんでしたよね?それが関係してるんじゃないですか?」


 「……そうだったのか」

 急に佐藤、田中、山田が不憫に思えてきた

いつも読んでくれる方、ありがとうございます。なるべく早いペースで更新していくので、是非ともお願いします。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ