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そう簡単に異世界を味わえると思うなよっ!  作者: はれ
第6 一ノ関歩
35/97

34 俺だって

  「り……凜……」

 倒れていた凜の周りを青い光が包んだかと思うと、次の瞬間凜は消えてしまった。


 この世界で消えるという事、それはつまり意識を取り戻す可能性が無くなったという事。そして、凜が意識を取り戻すまで耐えるという戦法も取れなくなった事も意味していた。

 多分、俺を庇ったんだと思う。だから敵の攻撃をまともに食らってしまったんだ。だからといって、あの凜が一撃でやられてしまうなんて有り得ない。そんなことが出来る相手に、俺が……勝てるわけがない。無理だ。


 「今度は外さん。食らえ!」

 

 敵が何か(・・)を動かして来た。俺は咄嗟に剣でガードする。激しい衝撃音と共にお互いの武器がぶつかり合う。武器は相手も剣の様だ。

 (何だ……こいつは?)

 その何かは形は人に似ているが、体色は黄土色。そして、目や口などの器官が無い。まるでのっぺらぼうみたいだ。手や足などはしっかりした形をしているが……とてもこれが人間だとは思えない。

 何より……力が強い。さっき剣がぶつかり合った時の衝撃で俺の手首は痺れて硬直している。動かせないほどの痺れではないが、この力の強さはキツいぜ。


 「こ……のっ!」

 俺は剣が重なっている状態のままローキックを繰り出す。だが、

 「痛っ、な!?」

 

 俺が繰り出したキックは黄土色の敵の人間でいうふくらはぎ辺りに当たった。しかし、鉄のように固くなったふくらはぎが俺の足を押し返した。


 (力が強くて……体が硬い……)


 そんな敵に前にも会った。針田とコンビを組んでいた河木だ。だが、河木と違ってこいつには人間における急所は存在しないみたいだし、攻めようが無い……。

 「来ないのか?我から攻撃をするぞ?」

 「ほざけ。ちょっと蚊が鬱陶しいだけだ」

 「中々強気だな……ならば味わうがよい。幕無漸」


 そう言って敵が指を横に動かした瞬間、黄土色の敵が剣を一旦離してから一気に振り回してきた。

 「うっ……くぅ!」

 ただ剣を振り回しているだけだが、馬鹿みたいに強い力のせいで攻撃の一回一回が重い、それを連続で続けられるからその度に俺が防御に使ってる剣が弾かれそうになる。

 (このままでは……一回、距離を取らないと)

 だが、距離を取ろうとしてもまたすぐ詰められて攻撃されてしまう。しかも相手は連続で攻撃を続けているのにまるで消耗する気配が無い。どんどんこっちがジリ貧になっている感じだ。

考えろ。なんでもいい、この苦しい流れを変える手立てを――相手の態勢を崩したりするのは無理だ。だが、いくら力が強くても、何か出来ることがあるはず!

 

 「それなら――」


 俺は相手の剣をジャンプして避ける。そして相手の剣の根元の部分めがけて、落下の勢いと体重を乗せて……

 (叩っ斬る!!)


 パキッ――と小さい音を上げ、相手の剣は根元の部分が折れてしまった。いくら力が強くても、剣自体を強化している訳ではなかったから、そこに攻撃を仕掛けた。狙い通り相手の剣は真っ二つだ。

 しっかし……体重を乗せながらジャンプ攻撃しただけで剣を剣で叩き折るとは……ほんと身体能力においてはバカみたいに強いよな、俺。

 「……剣だと……!?」

 ちゃんと人間の方の敵が驚いたような声を上げる。その隙にどっちかを攻撃――

 

 「――っ!?痛ってー!?」

 

 急に手首がめちゃくちゃ痛くなった。ああそっか、全体重を乗せて剣を折ったはいいけど、勢い余って地面も叩いちゃったんだ……そりゃ痛えよ。

 幸い捻挫まではいってないみたいだが、俺は一回距離を取る。


 「まさか剣を折るとは……貴君に敬意を表し、我が名を名乗ろう」

 敵は軽く一礼してから、その名を名乗った。


 「我が名は一ノ関歩。そして、この我が相棒。名は『犬』正体は私の夢だ」



 

 い、犬?名前が?


一番好きなキャラの凜がぁぁぁぁぁぁ!!!!(お前がやったことだろと言われれば確かにそうだが)

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