30 俺が悪かった!だから命だけは!!
――この大会はルールが無い――
いや、実際はあるが、『必要以上に攻撃しない』くらいのものだ。
だから人質にされたりする事があるかもしれない。
そんな中。
――俺は人質にされた……。
「てめえらかぁ!?こいつはてめえらの仲間なんだろ?ならおとなしくしてもらおうか!」
俺は敵に首を掴まれ凜たちの元に引きずり出される。
「あれ?そっちから出てきてくれるの?――って、何してんのよあんた……」
凜がこっちを見て呆れる。面目ない、ただただ面目ない。
「蘭次君、どうしてそういう状況になるの?」
心なしか怒ってるような声色で椎名が言ってきた。何だこれすごく怖い、椎名から変なオーラ出てないか?
「い、いやそのー」
「余計なこと喋んなよ!あぁぁん!?」
弁解も許されず、スキンヘッドの敵にナイフを突き付けられる。
「そーだそーだ!黙ってろ!」
スキンヘッドの子分と思われる、まさに子悪党と言った感じの顔をしてオカッパ頭をの奴も便乗してくる。敵はスキンヘッドとオカッパの二人だけのようだ
く、クソ!どれもこれも、あんなところに木の根が張ってるからだ!あれのせいで俺は転び、こいつらに捕らわれ、こうして人質にされたんだ!!!
……どう考えても俺の自業自得だな、うん。
「いいか!こいつの命が惜しいなら、言うことを聞いてもらうぜぇ!」
スキンヘッドに凜たちが脅される。クソッ!俺のせいで要求に従わなければならないなんて!
「そーだそーだ!まずは、その銃をこっちに寄越してもら――ぶべェ!?!??」
――え?
こ、子分が撃ち抜かれた……椎名の銃によって。
「は、はぁぁぁ!!??お、おい言う事聞けって!」
「……聞くわけないでしょ」
ちょっ、ちょっと待て、凜さん?その今すぐにでも光の刃を放とうとしてるのはどういうことですか?
ま、まさか……
(人質の俺ごと切り刻むつもりか!?)
今スキンヘッドは俺を盾にするようにしているから、確かに俺と一緒に斬ってしまおうとすればできるだろう。
だが……!だが待て、その場合俺の体はどうなる!?見事に真っ二つにはなりたくないんですけど!?
「り、凜、少し落ち着こう。相手の子分も倒されたし、今敵はたった一人だ。別に俺を犠牲にしなくても余裕で勝てるだろ?な?」
俺は凜が放とうとしてる光の刃に真っ二つにされたくないので、必死に説得を続ける。いったいどっちが悪役なのかわからなくなってきた。
「……どうせくだらない事で捕まったんでしょ。それなら頭を冷やしなさい、その腐った根性と一緒にね!ライトスラスター!」
「うわああああ!!!!!頭を冷やすのはお前だろぉぉぉぉ!?」
その後流してはいけない映像が異世界戦の会場に映ったとさ。ちゃんちゃん
主人公頑張れよ
いや私いかんですけども




