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そう簡単に異世界を味わえると思うなよっ!  作者: はれ
第5 異世界戦
28/97

27 雑巾は一番頑張ってるのに周りから嫌われる不遇な存在

  ――使い込まれたボロ雑巾みたいだな――


 中谷さんに言われたその言葉に対して、俺は『お前がやったんだろ!』とは言えなかった……


 

 

 「ひどいよぉ……あんまりだよぉ……」

 泣かずにはいられない。バキバキに痛む体も相まって最悪の気分だ……。

 「まあまあ、死ななかったから大丈夫だよ」

 「その一歩手前までやられたけどな!」

 あの後中谷さんにプロレス技を散々かけられた。体格では勝っていたのに一切対処できないなんて……。

 「いいからあんた達、2回戦が始まるから早くしなさい」

 「それすら危うかったんだけどね」


 凜に急かされ俺は小走りで魔法陣に向かう――


 「――え?」

 今感じた違和感。足……か?

 決して痛いとかそういうものではない。ケガとかでもなさそうだ。むしろ――よく足が動けるような、これが元々俺の足だったような。変な……感覚だ。

 「何してるのよ、早くしなさい」

 「え……あ、ああ」

 とにかく、悪い事ではなさそうだし、今は気にしないでおこう。


 「ら、蘭次様……私が見てない間に何があったんですか……?」

 俺の生傷だらけの体を見て魔崎がそんなことを言ってきた。

 「……なあ魔崎、中谷さんって昔から怒ると手がつけられないタイプか?」

 「澄香さんですか……?えっと……」

 

 魔崎が周りをきょろきょろしてから、

 「実は、澄香さんは怒ると誰も止められないんです……この世界で最初にモンスターと戦ったのもあの人で、特別枠で今回の大会に出るって話もあったくらいで……」

 

 二度と逆らうまい。


 「あ、でも澄香さんって酔うと――」

 

 シュウウン――


 魔崎の言葉を遮り、周りは泡に包まれた――

 酔うと?てか中谷さんって成人してたのか。

 気になる言葉はさておき、2回戦か。次はどんな相手が出てくることやら。……もうカップルはこりごりだ……。

 

 「蘭次、話の続きよ」

 「凜?話の続きって――ああ、針田の事か」

 そういえばさっきもそんな話をしていたな。

 「ええと……どこまで話したんだっけ」

 「針田が神――この世界の管理者の正体を知っている。だったっけ」

 「そう、では神はこの世界をどうするつもりだと思う?」


 「――は?」


 どうするって、この世界を管理する以上に何が――


 


 「あたしは思うの。神は――人間をこの世界から消すつもりよ」 

 


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