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19 戦うために戦う

  「……いくぞ……」


 目はしっかりと河木を見据える。獲物を狩る獣のように鋭く。

 能力は低いままで河木と針田を倒せる見込みはどこにもない。ただ、勝つ。それだけのために戦う。


 「へっ。ヘロヘロの動きで出来るならやってみろよォ」

 「ほざいてろ。泣くのはお前さ」


 俺は足を動かす。方向は針田。動きは鈍いがしっかりと地面を蹴る。


 「遅いんだよォ!くらいな!」

 河木のパンチが来るのを見越していた俺は体を捻じ込み、ある場所に入り込む。そこは――


 (股の間。やっぱり広くとっていたな)

 股間に体を入れ込んで河木の後ろ側に抜ける。低下した運動能力でやれるかは不安だったが、完全に河木の動きを読んでいたので成功した。


 「ルイン」

 俺が体を抜いた所で針田が魔法を放つ。俺はなんとか避けようと上半身を傾ける。それと同時に――


 「ごめんな!」

 謝りながら左足で後ろ蹴りする。そこには体を抜いたばかりの河木の股間が。

 「ぐっ……あっ……!!」


 河木が苦痛の声を上げる。まあ痛いのは俺も男だからわかる。

 河木の動きは一瞬止められたが、目の前は針田の魔法の弾。俺はなんとか避けようとするが、ギリギリ……避けきれない。だが、


 「シェル!」

 だが、俺には魔法は当たらなかった。凜の魔法が盾となって僅かに針田の魔法を逸らしたのだ。


 ありがとう。凜。今日は助けられてばっかりだ。

 「また悪いが……もう一回!」

 俺は再度河木の股間を狙い振り向いて右足で蹴りにかかる。だが河木もさすがにたまったもんじゃないと体を縮めて手でも股間を守る。また針田も魔法で河木の股間を防御する。


 「それを待っていた!」

 蹴りを止めて河木の後ろに回る。完全に気を取られていた河木と針田は何もできない。俺は河木のうなじに手刀を――


 「う……」

 河木は気を失った。いくら皮膚や筋肉が頑丈でも丸裸の急所に攻撃を入れられたらひとたまりもないだろう。


 (と言ってももう次はない。河木が気を失ってる短い時間で、針田を倒す!)


もうそろそろ戦いも佳境ですかね。

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