表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
15/97

14  動物は危険と思ったらすぐに逃げる。しかし、人間は……

  「へっ。そうおびえんなよ。別に食おうって訳じゃねェんだから」

 

  堀の深い顔面、顎を覆う髭。まさにワイルドといった感じの男。左腕には襲われたときに見た炎のようなマークがあった。間違いない。こいつが俺達を襲ってきたんだ。だが、俺達が襲われた時には十数人くらいいたけど、今はこいつしかいないのか……?


 「さてと。来てもらうぜ。俺だって意味もなくてめえらを捕らえたんじゃないからなァ」

 そいつが歩き出して行ったので、俺達もついていく。逃げれそうにもないしな。


 「なら、捕らえた理由を聞かせてほしいわね」

 「なァに。すぐわかるさ」

 そういってそいつは開けた場所に出ていった。俺達も続けてその開けた場所に出ていく。

 そこには半径が二十メートルくらいある、周りを壁で囲まれた円状の空間だった。これって、よくゲームとかでもある……。


 「闘技場ですよ。御二人さん」


 その空間の真ん中にスーツを着て、メガネをかけていて痩せている男がいた。


 「……どういうつもり?あたしたちを捕らえて、こんな所に連れてくるなんて」

 凜が疑うように言う。その細身の男は口を開いた。


 「……わたくし達が、多数の人間とフレンドになっていることは知っていますか?」


 やっぱり、凜の言う通りだったのか……!

 「まあ、そのわたくしのフレンドは今はここにいないですけどね。これからすることは、最重要機密ですから」


 「何を……するつもりだ?」


 「究極魔法ですよ。そしてわたくし達は、『神』を倒す」

 「か……み……?」

 何を、何を言ってるんだこいつは……?

 「おっと。これ以上は言えませんね。つまりあなた達は、私の新しい魔法の生贄になるのです」

 「新しい魔法?待ちなさい!そんなことは――」

 「できるんですよ。『魔法表』あれが何故あるのかというと、あなた達凡人が想像しやすいようにするために存在する。わたくしなら、全く新しい魔法を作り出すことが出来る」


 「それなら俺達を捕らえた後、眠っている間にやればよかったじゃないか。なぜ俺達をここに連れてきた!」

 「ああ、それは針田――こいつがサディストだからよォ。お前らが苦しむ姿を見たいんだと」

 「そのためにあなたを呼んだのですよ。河木。……さて、見せてください。悶え苦しむ姿を。そして、わたくしが紡ぐ物語の踏み台になるがいい!」

 

 針田は興奮した様子で話を終えた。

 「……舐めた真似してくれるじゃない。あなた達こそ後悔しなさい!あたし達を拘束もしないでこの場所に連れてきたことを!」

 

 凜の声と共に、俺は動き出す。俺だからこそできる。

 針田と呼ばれた奴に素早く詰め寄る。こいつが究極魔法を使うと言うなら、まずこいつを叩く!

 おそらく見た目の細さからしても針田は戦闘能力が低い。俺の素早さなら、針田は避けれない!


 「食ら――うっ!?」


 え……な、なんで俺は、針田に攻撃をしようとしたはずなのに、何で――


 (真横に吹っ飛んでいるんだ!?)

 そのまま俺は吹っ飛ばされ、壁に打ち付けられる。

 「ぐあっ!!あ……く……」


 そしてそのまま、地面にうつ伏せに倒れてしまう。

 「おっと、言っておきますが、河木はわたくしの魔法――『ブレイブ』で、戦闘能力を大幅に上げています。と言っても、遅かったみたいですが……」

 

 ってことは、一瞬で俺の元に河木が来て、タックルかなんかで吹っ飛ばしたっていうのかよ……。そんなの、ありかよ……!


 「さあ、立ってくださいよ。それとも、もう終わりですか?」


 …………


 ……………………


 

  

  「……言われなくても、やってやるよ……てめえの欲望?究極魔法?踏み台?くそくらえだ!」

 

 倒れていた体を無理やり持ち上げる。大丈夫だ。俺はあれくらいでへこたれたりしない……!


 「ぶっ倒す。てめえらのその余裕そうな顔をボコボコにしてやらあ!!!」


 「蘭……次……?」


 俺はこういう奴らが嫌いだ。まるで自分たちが勝つのが決まっているかのように、余裕そうにしてる奴らが。

 大丈夫。きっと倒せる。なぜなら、こういう奴らは俺の妄想の中で倒してきた(・・・・・・・・・・)からな!!

本格的に中盤に差し掛かってきました。蘭次達の行方、どうか見届けてください

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ