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プロローグ(2)

「ど、どうか…。レオナルド様に会わせて下さいませ…。」


「あの方がわざわざお前に顔を見せる必要が無い。」


「君の事は僕らに任せるって言ってくれたからね。」


ルークの後ろから誰かの声が聞こえた。まだ声変わりのしていない可愛らしい声だ。

ひょいと覗いた顔に驚いた。


「ディ、ディアン様…。」


その名を呼ぶと、さっきまでの優しそうな顔が一瞬だけ冷たい表情に変わった。

その表情はレオナルドととても似ていた。彼もマリアの前だったらこんな表情をしていないのだろうか…。

考えるだけで胸が苦しくなり、マリアへのどす黒い感情が溢れ出してくる。


顔が下を向くとグイッと髪を引っ張られ、頭を持ち上げられる。

無理矢理上を向いた私をディアンは嬉しそうに眺める。


「さて、どうしようかな。君がマリアにした事をそのまま返したってこっちの気も済まないしなあ。

一生鎖で繋いでこの塔に幽閉しようか?」


「いや、最北の修道院へ送った方がいいでしょう。逃げ出そうとしたら一瞬で首が飛ぶような鎖をマティアスに付けて貰えば。」


「それは良い。じゃあマティアスを呼んで来るよ。それまで見張ってて。」


私の顔は今どうなっているのかは分からないが、きっと絶望に染まった顔をしているだろう。

ディアンは私の顔を見てフッと嗤いながら部屋を出ていった。


しばらくすると、別のディアンと共に別の男が入ってきた。

その男は私に声をかけることも無く、私に向かって掌を向けた。するとその手が紫色に光り出す。

その光が消えたかと思うと、私の首と手足には鎖が繋がっていた。


「これでいいでしょ。もう出て行くから。こんな女と同じ空気を吸いたくない。」


私は鎖を外そうと藻掻いたが、さっきのルークの話を思い出し、その手を止めた。


私の様子を見て安心したのだろう。二人は部屋を出ていった。もちろん鍵を閉めて。


自分の状況がようやく分かってきた。

私は鎖を繋がれた囚われの身。

どうして。私はただ…レオナルド様と幸せになりたかっただけなのに。


自分の中でまた、プツッと弾け飛んだ気がした。

ドロドロとした黒いものが手から出てくる。


「何これ…!?」


混乱している間にも私の中で何かがどんどんプツプツ弾け飛んでいく。


『あの女がいなければ、お前は想い人と添い遂げる事が出来たのであろう?』


(そう…そうよ…!あの女が…!!!)


『では、その女を殺せば…お前は幸せになれるのではないか?』


(そうよ!あの女を殺せば!!!!)


誰かの声が私に囁いて来て、目の前が真っ暗になった途端、私の意識は途切れた。






●●新聞 第〇号


レオナルド殿下の元婚約者、エリザベス・ユーネリウス元侯爵令嬢が悪魔と契約し、フリラール魔法学園の卒業パーティーを攻撃しようとしたが、レオナルド殿下率いる七人の優秀な生徒達によって倒された。

中でも一番活躍したのは、混乱の中、光の大精霊と契約をしてエリザベス元侯爵令嬢を封印したレオナルド殿下の婚約者、マリア・スチュワート子爵令嬢であろう。

これにより令嬢に憑いていた悪魔は封印され、エリザベス元侯爵令嬢は翌日に処刑された。


エリザベス元侯爵令嬢が悪魔と契約した理由はレオナルド殿下が婚約破棄を命じた腹いせだと思われる。


ちょっと怖い感じ…ですかね?w

次から本編入ります!!

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