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何でも屋は女神に頼まれました  作者: 神代零
1章 始まりの街にて
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第23話 アースドラゴン②

はい、続きになります!

 


 アースドラゴンを撃退させる為の冒険者は50人弱。その中にギルド長も立っていた。

 アルに聞いたが、レベル10以上の冒険者だけが集まっていると。つまり、アースドラゴン相手にレベル10以下は役に立たないと判断されているようだ。


「そういえば、アルのレベルは?」

「まだレベル5ですわ……、もしかして、私は参加できないのかしら?」

「多分な……、まぁ、ギルド長に聞いてみるよ。お前の『完全解析パーフェクトアナライズ』が使えるから、特例にしてくれるかもしれん」


 もし、レベル10以下の冒険者は参加出来ない制限があったら、アルだけ参加出来ないことになる。だが、アルには敵の情報を覗き見ることが出来る固有スキルがある。

 早速、ギルド長に聞いてみることに。






「ふむ……、戦闘に参加出来ないが、斥候の仕事は出来るか」

「はい。アースドラゴンの弱点を見つけるかも知れませんので、参加させて下さい」

「……わかった。特例に認めよう。あと10分で斥候の者が続けて出発するから、合流しなさい」

「わかりました」


 テツヤ達と一緒に行動は出来ないが、対アースドラゴンの作戦に参加出来るようになった。一緒ではないことに残念だと思うアルだったが、役に立たないよりはマシだと納得するのだった。


「あ、行ってきますね」

「あぁ、無理はするなよ」

「もし、この作戦が終わったら、夜に一緒にお布団の中でーー「さっさと行きなさいよ!?」チッ」


 カレルが追い出すようにシッシッと手を振る。アルは舌打ちし、テツヤにバイバイしてから斥候グループに入っていく。


「全く、緊張感がない奴らだな……」

「バロン、もう準備は大丈夫なのか?」

「あぁ、此奴を連れて行くが、お前達も攻勢グループに合流するんだ」


 今回の作戦では、3つのグループに分かれており、攻撃と防御と斥候のグループになっている。攻撃が25人、防御が20人、斥候が5人ぐらいと分かれており、それぞれの仕事をこなすことになっている。

 テツヤとカレルは攻撃グループに合流し、攻撃グループのリーダーとなる者と挨拶をする。


「ん、君はバロンの友人だったかな」

「え、俺の事を知っているんですか?」

「あぁ、俺はバロンのパーティで剣士をやっている。ラディッツと言う。君のことはバロンから聞いている」

「そうでしたか。宜しくお願いします」

「武器のことを聞いていいかな? 編成を考えておきたいので」


 ラディッツの話によると、12人と13人のグループに分けて、スイッチするように攻撃を加えていきたいという事で、攻撃グループを2つに分けるようだ。


「あ、あの、私は出来ればテツヤさんと一緒の方がいいのですが……」

「君は……あぁ、あの『呪怨魔法』を使う……わかった。編成も任されているから、君はテツヤと一緒にしておこう」

「あ、ありがとうございます」


 ラディッツはカレルが『呪怨魔法』を使うから避けられていることも知っていた。だから、その心を見極めてテツヤと一緒になれるように編成していく。

 そして、編成も終わってからギルド長の指示した場所へ向かっていく。




 30分程歩いた先には、草原があった。ここでアースドラゴンを迎え討つのだ。

 ここまで来る前に、アースドラゴンのことも聞いていた。アースドラゴンは空を飛ばない蜥蜴みたいなタイプのドラゴンで、硬さがウリで魔力も少ないから使われることもないという。ただ、尻尾は異様に膨らんでおり、振り回されると危険がある。獣が発するのと同じ『咆哮』にも気をつける必要がある。

 対策は、前方に防御グループを置き、厄介な尻尾は防御をせずに回避重視にする。攻撃グループは側面に張り付けて、攻撃をする。側面に張り付かれたら、アースドラゴンは攻撃することが出来ないが、移動行動で避けて行く可能性もあるから、巻き込まれないように気をつける。

 レベルが低い者が多いと考えれば、対策はそれぐらいである。


「罠を作る時間が無かったのは痛いな」

「あ、アースドラゴンが見えてきましたよ!!」

「来たか!!」


 まだ遠目だが、アースドラゴンらしきの姿が見えるようになった。見た目は岩を貼り付けた蜥蜴に見えた。

 脚は人間が全力で走ったのと同じぐらいのスピードでこっちへ向かっている。

 防御グループはそれを止めなければならない。最初は防御グループの全員が前に立ち、突撃を止めたら2つのグループに分かれて動きを止めていく予定だ。




 その予定だったが……、更にスピードが上がって行くアースドラゴンの姿が見える。


「なっ、速すぎる!? それでは、止められるかわからないぞ!?」

「チッ、俺がサポートに行きます!」

「テツヤ!?」


 ラディッツが止める暇もなく、テツヤが防御グループの少し後ろまで回って行き、魔力を高めていた。

 その姿を見たエリラが咄嗟に「伏せろぉぉぉぉぉ!!」と声を上げていた。その声に驚きながらも、伏せるエリラに合わせて防御グループの人達も伏せていく。




「『衝撃の魔眼』!!」




 全力で衝撃を飛ばし、アースドラゴンの顔面へ突撃させた。咄嗟のことにアースドラゴンは防御をする暇もなく、鼻から壁にぶつかったような威力に脚の動きが鈍った。


「起き上がれ!! 止めるぞぉぉぉぉぉ!!」

「「「うおぉぉぉぉぉ!!」」」


 何故か、エリラがリーダーのように号令を上げて、二段目の壁みたいに防御を固めた。

 脚が鈍ったお陰で、スピードも半分は無かった。二段目の壁になっていた防御グループは確実にアースドラゴンの突撃を止めていた。


「止めた! 攻撃グループ、行けぇぇぇぇぇ!!」


 攻撃グループのリーダーであるラディッツの号令により、アースドラゴンへ向かって攻撃を始める。


「剣は腹を狙い、打撃は上から振り降ろせ!!」

「おう!」

「死ね!!」


 様々な武器があり、それぞれの武器に対して効きやすい場所を指示していくラディッツ。防御グループのサポートをしていたテツヤも、『暴鈍』を取り出して、誰もいない場所へ振り下ろした。


 ドゴッ!!


 テツヤの攻撃は岩みたいな鱗を割って、肉に埋まっていた。アースドラゴンは悲鳴を上げて、側面から攻撃してくる冒険者を振り切ろうと前へ進むが、それは防御グループがそうさせない。


「行かせるかよ!!」


 エリラもナックルでアースドラゴンの鼻を殴っていく。他の者も盾でぶつかっていく。なかなか前に進めないアースドラゴンは尻尾を振り始めた。


「お前ら! 尻尾の動きに気を付けておけ!!」

「お前、少し前に行け! そこだと、尻尾に巻き込まれるぞ!!」

「おう!!」


 尻尾を振るアースドラゴンだが、誰もいない場所を叩くだけで終わった。テツヤやカレルなどが身体を叩いていくことに不快だと思ったアースドラゴンが意外な動きをし始めた。


「なっ、下がれぇぇぇぇぇ!!」


 ラディッツの声で攻撃グループは下がるが、遅れた者もいたようで…………




 ローラーのように横へ転がって、冒険者達を潰していく。そして、冒険者を引き剥がした後に尻尾を振り回してきた。

 その動きのせいで、5人程が戦闘不能に陥ってしまった。


「防御グループ! 早く、アースドラゴンの前に行け!!」


 転がったせいで、今のアースドラゴンは前に誰もいない状態だった。その中でエリラが人先に前へ出た。


「っ!?」


 だが、アースドラゴンが『咆哮』による攻撃で脚を踏ん張ることが出来ず吹き飛ばされてしまう。これではまずいと思い、土魔法を持っている者が『土壁』でアースドラゴンの前を塞いで行く。スピードが乗った状態だったら役に立たないが、今なら少しは時間を稼げる。


 ゴガァァァァァ!!


 また『咆哮』を使ってきたが、壁は1枚だけじゃないので何枚か壊されるだけで済んだ。


「防御グループ、早く前に! 土魔法を側面にも展開せよ!!」


 ギルド長がそう指示を出し、アースドラゴンの動きを止めていく。アースドラゴンは側面に出来た土壁を壊そうと暴れるが、魔術師は壊されても壁を追加していくので、アースドラゴンを自由にさせない。

 その間に攻撃グループがなんとか攻撃をするが、まだ倒れる気配はしない。


「体力が底無しだな……」

「だが、無限である生き物はいない! ダメージを与え続ければ、いつかは……!!」


 鈍る様子も見せないアースドラゴンだが、冒険者達は諦めずに攻撃を加えていく。











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