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何でも屋は女神に頼まれました  作者: 神代零
1章 始まりの街にて
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第16話 生き残ーーーーーーーーった!!

はい、続きをどうぞ!

 





「止めんか」






 リヒトの手を掴んで止めていたのは、いつの間にこの場へ現れた真っ黒な鎧を着た男だった。掴まれた瞬間に、リヒトの魔法の術式が霧散していたから黒い鎧を着た男は何かをしたのだろう。


「ヨハムド?」

「アレは召喚者の1人だ。勝手に殺して、魔王様の命令に背くつもりか?」


 どうやら、現れたのは魔王軍の者らしい。止めに来たみたいだが、リヒトは頬を膨らませていた。


「えー、私の服をボロボロにされたんだけど? それをお返しにしないと気が済まないわよ」

「命令を無視するのか?」


 声を低くし、先程より魔力が高まってそれが重圧となって襲ってくる。リヒトの威圧から逃れた哲也だったが、魔力があと僅かでもう勝ち目がないとわかった直前だったので、地面に膝を付けてしまう。


「うっ…、わかったわよ。だから、ら、その魔力を仕舞いなさいよ。第2の魔将殿?」

「どうやら、魔王様に報告が必要なだな……」

「ゴメンなさい!! 私はいい子しています!!」


 反省の色が見えず、脅しのようにリヒトの父である魔王様に報告しようと口から漏らしていた。それを聞いていたリヒトはすぐ謝っていた。


「全く……、君は最近に召喚された者か。こちらの馬鹿リヒトが迷惑を掛けてすまなかったな」

「え?」


 魔族は人間の敵なの筈だが、ヨハムドと呼ばれた第2の魔将は謝っていた。


「馬鹿って、何よ!?」

「命令を無視しようとした馬鹿のことを馬鹿と呼んで何が悪い?」

「むぅぅぅー、覚えてなさいよ!! そこの人、名前は!!」

「え、哲也ーーッ」


 テツヤは思わず自分の名前を言ってしまい、すぐ口を塞いだが…………


「ふーん、テツヤと言うわね。いつかお返しをさせて貰うわ。それまでは死ぬんじゃないわよ!」


 リヒトはそう言うと、身体を発光させて姿を消していた。魔力も感じないから、この場からいなくなったのは間違いないだろう。


「テツヤと言いましたか。最近に召喚されたのに、リヒトへ僅かながらもダメージを与えたことは誇って良い事だと思います。もっと強くなって、私達の前に現れるのを期待しています」

「どういうことだ……、何故、見逃す?」


 ここで哲也達を見逃すのか? その理由を考えてもわからない。強くなることに期待していると言ったが、更に魔王の命令で自分みたいな者の殺害を禁じているのも。


「時が来ればわかります。しかし、殺害禁止をされているのは魔将の8人だけで、部下はそうでもないので、お気を付けて生き残って下さいね。この情報はリヒトのことでお詫びと言うことで……では」


 黒い鎧を着た男も闇に紛れるように消えていった。魔力も感じないのでリヒトと同様に転移でもしたのだろう。

 急展開な事が起こったが、とにかく生きている。


「助かったか……」

「ははっ、まだ膝が笑っていやがる」

「………………」


 カレルから反応がないなと思っていたら、少女漫画のように白い目を剥いて、座ったまま気絶していた。どうやら、第2の魔将であったヨハムドが威圧をした時は既に気絶をしていたのだろう。

 哲也はそのカレルを放っておき、さっきの話のことを考えていた。


 黒い鎧を着た男は、魔将と呼ばれている8人だけが、召喚者の殺害を禁じていると。何のためかわからないが、時が来ればわかると言っていたから今は考えなくてもいいだろう。


「しかし、危なかったな。まさか、魔王の娘が古代魔法を使ってくるとはな。というか、娘がいたことも初めて知ったが」

「む、古代魔法?」

「そうだ。魔法を放つ前に詠唱していた言葉は全くわからなかっただろ? 技名も言っていたかもしれんが、聞き取れないのは厳しいな」

「聞き取れなかった……? 『ホーリーレイ』と言っていたぞ」


 哲也はリヒトが言っていた詠唱と技名も聞き取れていた。そのことにエリラは呆気に取られていた。


「聞き取れたのか!? まさか、古代語を知っているのか……?」

「古代語というか、皆が話すのと変わらない言語で聞こえたぞ?」

「は? そんなことが有り得るのか?」


 少し考え込むエリラだったが、哲也はそんなことより古代魔法のことが気になっていた。


「なぁ、古代魔法って何だ?」

「ふむ……、私の祖国である狼人の集落に村長がいて、そいつから聞いた話だ。古代魔法とは、古くからある魔法で、この世界の創造神が直に創り出したと言われている特別な魔法だ。リヒトは『ホーリーレイ』と言ったな?」

「あぁ、光の魔法だと思ったが、熱もあって、地面が焼き尽くされているな」


『ホーリーレイ』が当たった地面を見ると、草一つも残っておらず、黒焦げになっていた。


「その光と熱が混じり合わさった魔法なら、知っている。おそらく、『陽光魔法アマテラス』だ。太陽の光と同義となる魔法と聞いている」

「厨二くさいの来やがった……、しかもアマテラスかよ」


 地球のと同じ太陽の神で、名前までも同じ。この世界は地球と関連があるのかと考えてみるが…………情報は少ないので答えは出ない。


「厨二くさい……? いや、それよりも厄介なことになったぞ。魔王の娘が古代魔法を持っていて、更に実力も私達と差があり過ぎる」

「いや、もう戦わねえよ!? あんなのに勝てるかよ!!」

「今は無理だが、いつかはーー」


 哲也は呆れていた。手足も出なかった相手にまたいつか挑むことを考えているエリラに。だが、何故か輝いているようにも見えていた。

 哲也は舌打ちし、エリラから離れる。


「やってられるかよ。俺はもう帰るから、カレルは任せたぞ」

「……わかった。カレルの屋敷なら知っているから任せとけ」


 エリラは少し陰りのある表情をしたが、それはすぐ消えていた。今日は予想外のことが起こりすぎて、体力や精神もとても疲れていた。


 自分に魔王を倒せる力なんてあるわけないだろ。このステータスを見れば…………む? スキル欄の文字が光っているな。


 新しいスキルが登録されたと光っているのだ。音が聞こえなかったと思ったが、戦いの途中に鳴っていたなら気付かなくても仕方がないだろう。

 しかし、どんなスキルが登録されたのか。敵が使ったスキルと言えばーーーー


 まさか……、いや、あり得ない。しかし…………


 さっきエリラと話していた『陽光魔法』が頭によぎる。

 震える手でスキル欄の文字を押すとーーーー






『パリィ』






 登録されていたスキルは『パリィ』だった。思い出してみれば、魔眼で『ホーリーレイ』を逸らしていたこともパリィ扱いになる可能性があった。

 そのスキルを見て、『陽光魔法』ではなかったことにホッとしたが、残念だった気持ちもあった。どうしてそんな心情になったのか、自分でもわからないのであった…………








どうでしょうか?

続きをお楽しみに!!

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