第九話 『決着と優勝?』
久しぶりの投稿です。
皆さんに忘れられていないか心配です……。
防戦一方の戦いであった。
僕の能力『真眼と道化師の肉体』(コピークラウン)
は攻撃力は無に等しい上に、僕はこの能力をまだ、完全には使いこなせていないようなのだ。
「中々逃げるのが上手いじゃねぇかぁ~!!
ソソラレルゼッ!!!!」
そう言って、多摩は足下にあった石を蹴りこんだ。
それを僕はコピークラウンの『見切る力』とボクサーの動きを写体して、紙一重で避ける。
しかし、避けたはずなのに、僕は左の頬を思いっきり殴られたように吹っ飛んでいた。
(なっんで!?)
さっきから、実戦が初めてにせよ、上手くかわしている筈なのだが、どうにも、避けた対象以外の破壊力を持つ物で攻撃をされている。
「フハハハ!! 貴様の能力は『視る』のが仕事だもんなぁ~? 俺には敵わねぇよ?」
余裕の笑みを浮かべる多摩。
悔しいが、謎が多すぎて、僕程度では太刀打ちが全く出来ないのである。
……視る力じゃ勝てない?
どういう意味だ。
僕は考えながら必死に逃げ回り、傷付きながら1つの答えにたどり着いた。
「君の能力が解ったよ!」
「!!?」
奴の動きが止まり、その間に僕は距離を詰めていった。
「ハンッ! お前に俺の能力がわかる筈がねぇっ!!」
自信満々の多摩。
しかし僕は、それ以上に自信のある顔で
「しかし、実に単純な能力だよね?」
上手く心理戦に持ち込むようにした。
「君の能力はズバリ…幻術を相手にかけることだ!」
そう、アイツは目の前にある石を僕に向けて蹴っていたのではなく、実は僕の近くにいて大振りな一発を何度も決め込んでいたのである。
それ故に、僕は何度も殴られたときのような、鈍い頬の痛みを感じていたのであった。
「できる事は精々、自分の偽物を見せることと、自分の姿を認識させないこと位じゃないのかな?」
僕は畳み掛けた。
何故なら、僕はコイツに勝つことができる!と理解できただけで、負けるなんて微塵も考えなかったからである。
「君の敗因は、二つある。 一つは僕の能力を過大評価し、僕自信を過小評価していたことさ。」
そう言いながら、僕は多摩との距離を詰めていく。
「二つ目は、……」
そう言って、僕は空手家のような跳び蹴りを、多摩に向けて放った。
跳び蹴りは奴の顎にクリーンヒットした。
「君、テンション上げておかないと能力を使えないんじゃないの?」
っと、僕のカッコいい瞬間なんてお構い無しに、多摩は既に延びていた。
『今年のマラソン大会Aグループの優勝者は西東 北南! 西東 北南!』
何処からともなく、僕の優勝を称える声援が聞こえた。
いい加減菊さんにスポット当てたい←菊さん気に入りすぎた