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LAST GAME  作者: よむよみ
外伝 ぷらいむみにすたー

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episode7

 今日は、久しぶりの休日だ。

 今まで仕事が忙しく、コアタイムの時間には参加できなかった。

 最後ぐらい、今日ぐらい参加してみようと思った。


 コアタイムの時間が近づくにつれ、サーバーの全体チャットは騒ぎ始める。

 みんな楽しそうにコメントしていて、盛り上がってきた。

 私自身、日々の仕事でのいざこざを忘れて、その様子を見ているのは好きだった。

 皆が皆、楽しもうと一つの方向を見ていた。

 やっぱりお祭りはこうでなくてはならない。

 まつりごととは大違いだ。


 音楽が止まって画面が切り替わりムービーが始まる。

 今日の主人公は昨日の新聞にも出てきた全身鎧男、昨日の続きのようだ。

 男がつかつかと王の元へ歩いていく。


「その鎧、見覚えがあるぞ。確かこの国の昔の鎧――軍隊長の鎧ではないか」

 王様の声が聞こえた。

 以前聞いた声とは違うようだ。ミロは疑いの目を向けている。


 王の声にこたえるように男が話し始めた。

「だとしたらどうなる。我々は王様を返してもらいに来た」

「ここにいるではないか」

「それは違う。本物の王様はずっと、国民そして国の事をいつも第一に考えていた」


 ミロと父のキャンプのムービーが流れ「王への信頼」という文字と共に、画面の右側に収まる。

 今回の物語には上下左右の4つの鍵となる進行が必要なようだ。


「これはおかしなことを。私が王だ。お前らにも見覚えがあるであろう」

 王が不気味な声で高らかに言い放つ。

 ミロはゆっくりと、そしてしっかりと声を上げた。

「違う。全然違う。王様はそんな声じゃない。

 それに以前の王様はもっと楽しそうに笑っていた」


 ミロの王への謁見のムービーが流れ「王様への親しみ」というタイトルで、画面の左側に収まった。


「ああ、笑顔か。こうかね」

 王がにやりと笑う。気持ち悪い笑顔だ。

「そんな顔じゃない。それに以前の王様であれば、村を燃やすなんてことをしなかった。

 あの村は、せっかく馬車が通れる道が作られて、これから発展するところだった。

 お前は、その村を、これから発展するであろう村を、燃やしたんだ!」


 村が燃えるムービーが始まった。「王への不信」というタイトル。画面の下側に収まった。


「ふふ。ふはっはっはっは。だからどうだというのだ。

 それに、以前にも似たような事があったが、結果はこの通りだ。何も変わらない。

 弱い貴様らに何かできるはずもない!」

 王様の甲高い声が城内に響き渡る。


「光の球の入手」というタイトルで光の球を入手した時のムービーが流れ、画面上部に収まった。


 全身鎧男は、その球を見て、ミロに手で合図した。

 ミロは王様の方へ歩き、鞄から光の球を取り出し、光の球をゆっくりと王様にかざす。


「その球がどうしたのかね。目くらましにもなりはしない」

 影が高い声でしゃべっている。

 徐々に実体と影が分かれていることに気が付いていない。

 バタンと王様の体がその場に倒れこんだ。

 物音にようやく体が分離したことに気付いた。

「だから何だというのだ。人間の体なんてなくても俺様は強いのだ」

 BGMが切り替わって、影が実体となって現れた。悪魔だ。


 実体を現した悪魔を恐れ、様子を見ていたゴブリンたちも襲い掛かってきた。

 悪魔は見慣れない魔法を扱っている。

 でも光の球によりだいぶ力を抑えているようだ。

 それに、ゴブリンたちだって以前の兵士に比べたらだいぶ劣る。

 次第に悪魔の魔法にも慣れ、優勢になってきた。


 ただ、悪魔の体力は無尽蔵、手あたり次第に強力な魔法を放っている。

 まだまだ戦いは続くかに思えた、その一瞬。

 上から一人の男が悪魔めがけてとびかかる。


 その男はミロの格好をしていた。名前が記載されている。TKGのTAKASHIだ。

「この国を取り戻す!!!」


 その一撃に悪魔の体は音もなく崩れ去っていった。


 ――


 知ってか知らずか、以前の大臣の言葉が使われた。

 その一言に胸が熱くなった。

 奇病で中途半端に終わってしまった改革。

 今度こそ、やり遂げなければならない。


 私がゲームに参加しなくても、物語は進む。

 放っておいても、他の参加者によってゲームは進行していく。

 適切な環境が用意されていれば、進んでいく。

 そして、それはおそらく、私の仕事だって同じはずだ。


「LASTGAME」

 どこかまつりごとにも通じるところがある、興味深い世界だ。


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