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LAST GAME  作者: よむよみ
外伝 ぷらいむみにすたー

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77/81

episode3

 残念ながら国内で若干、混乱が生じている。

 備蓄を放出し問題ないと何度も政府として発信するも、買いだめにより資源の偏りが生まれた。

 以前のオイルショックほどではないが、緊張が生まれてしまったのは事実だった。

 人の心理は難しい。ある程度の混乱はやむを得ない。


 国として資源の偏りを解消するべく、不足の情報を人々から集め調達している。

 おかげで、だいぶ混乱は収まってきたと思われる。

 ただ…、ふと思う。

 不足している資材を調達するのは、商売の基本。

 本来であれば、情報収集や調達は国がやるべきことではない。

 これは、近年の増税による効率化の悪影響が出ているのではないか。

 効率化は平常時には利益を生みやすい反面、異常時に対応するゆとりを奪っているのではないか。


 世界では戦時中の緊張感が漂っているが、私たちの国では日常が続いている。

 まだ始まったばかりの政権。なんとしても混乱を抑えて乗り越えなくてはならない。


 さて、今日の公務も終わり。

 家に帰ると、いつもと同じようにログインし、物語の進行を確認した。


 ◇


 ミロは14才。この世界では、立派な一人前だ。

 初めての冒険の日から父さんにしつこく冒険譚を聞き出し、知識は十分なはず。

 だから、あとは経験を積むだけだ。

 そう考えて初めて一人で、ギルドから依頼を受ける。

 といっても、受けた依頼は城の防衛。

 集まった他の冒険者と共に城の外を見張る、そんな簡単な仕事だった。


「たった3日間、城の安全を守る仕事です。

 僕も合わせて5人もいる。見張りと休憩を交互に繰り返せばいいですね。

 まずは僕が見張りますから、他の人たちは休憩していてください。

 敵が来たらたたき起こしますよ。お互い様だと思って協力してください」

 僕の言葉に、黙っていた他のメンバーも頷いた。


 城の外を眺めるだけの簡単なお仕事。

 ただ、僕は何度かたたき起こされて、戦闘に加わった。

 多少睡眠時間が少なくても、これぐらいであれば問題ない。

 普段、父さんと二人での冒険よりはだいぶ楽だった。


 仕事が終わる最後の日、国王に呼び出された。

 直々に報酬を渡してくれるらしい。

 父さんからのお話に何度もでてくる立派な王様だ。

 少しだけ緊張した。


「ご苦労。では、報酬を渡そう」

 ずっしりと重い袋を手渡される。重すぎると感じた。

 不思議に思った僕は、袋の中身を確認した。

 ギルドで書かれていた報酬の2倍はあるようだ。


「王様。報酬が多すぎます」俺は思わず口にした。


「ああ。そう思うのであれば、城下でお土産でも買ってくれればよい。

 近頃、作物の生産性が格段に高まってな。

 代わりにお菓子やら工芸品やらを作るようになったのだ」


「し、しかし、この報酬は……」


「生産性が高まった分、買ってくれる人がいないと困るのだ。

 買う人がいないと、作り甲斐がないからな。

 それに、いづれ皆が気に入る商品が生まれよう。

 そうなれば、大量に生産され、海外にまで売られるだろう。

 そうやってこの国はまた、豊かになっていくのだ」

 国王は上品な笑顔を浮かべた。父さんに聞いていた通りの人物だと思った。


「なるほど。僕たちが買うことによって、この国の豊かさのお役に立てるのですね」


 国王はにっこり笑って頷いた。僕はずっしりと重い袋を笑顔で鞄にしまった。


「そういえば、その方の持つ雰囲気……、どことなく見覚えがあるな。

 もしかしてミロではないか?」


「はい。僕の名前はミロです」


「やはり、あ奴の息子でやったか。これはめでたい」


 王様は笑顔で僕の事をじっくりと見ると、ふと何かに気付いたように、僕に尋ねた。

「とすると……。今回は敵の襲撃は少なかったと兵士たちから聞いておる。

 もしかして、ミロが何かやったのではないかね?」


「…?ああ。遠くにオオカミや熊の群れが見えましたから、嫌がるお香を焚いて追い払いました」


「なんと。ふふ。ふははっはっは。

 父親そっくりの立派な冒険者になったものだ」王様は楽しそうに笑っていた。


「いつも何らかの依頼を出しておる。また何か仕事を受けるがよい」


 王様に気に入ってもらえたようだ。

 僕は上機嫌でたくさんお土産を買って、家に帰った。

 父さんは僕の話を聞いて嬉しそうにしていた。


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