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南藤はオタク?
「雑誌!」
早川さんがどんな雑誌か悟られないようにヲトメ倶楽部を抱きしめる。
「僕たん、それ読んだことあるのさ!」
え?
それどういう意味?
「・・・え?」
早川さんと僕の頭上でいくつかのハテナが旋回する。
「僕の姉たんが『これがあたしのバイブル』って勧めてきたのさ!」
ね、姉たん?
南藤の『たん』付けはなんとかならんのか。
っていうかバイブルって何だ。
「ば、ばいぶる?なにそれ」
「僕たんにもわからないさ!けど『ヲトメ倶楽部』がおもしろいのは確かさ!特に『恋の乱れ咲き』は最高だね!」
「そうだよねっ!・・・あっ」
早川さんが慌てて口を抑える。
「小毬たんもファンなのか?」
「う、うん」
「僕もさ!」
え?
南藤もオタクだったの?