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別人。
『ヲトメ倶楽部』を読んでニヤけてる早川さんだった。
『ヲトメ倶楽部』とは僕の母が愛読している雑誌だ。
「り◯ん」や「じゃ◯ぷ」のようにいくつかマンガが載っている。
ただしBLの。
僕の両親はずっと前に説明したが、覚えていない人に説明しておく。
僕の母はA系――つまり、オタクである。
ということは・・・
なぜ早川さんがそんな雑誌を読んでいるのか、僕の脳は必死に考えた。
でも答えは一つしかない。
―――早川さんが母と同類であることである。
認めたくはないが。
僕は今、眼の前にいる早川さんと大和撫子な早川さんはとても同じ人とは思いがたかった。