84/107
かえりみち。
「それじゃあね」
あのあと、空が暗くなる頃に、僕らはそれぞれの家路についた。
僕が帰り道、何気なく本屋に寄り道していなかったら、早川さんの素顔を知ることができなかっただろう。
本屋の自動ドアが開くと、すこしひんやりした風が僕の頬を撫でた。
暦の上ではもう十月になろうというのに、まだ残暑が残っている。
このままじゃ、秋を越えてすぐに冬になりそうだ。
漫画の長い棚をを抜けると雑誌コーナーにはいる。
びっしりと人が集まっている。
奥のほうで見覚えのある制服がチラリと見えた。
もしかして――
人と人のあいだをすり抜ける。
そこで見たものは―――




