ストーカー南藤と大和撫子。
「で、どんな娘だったの?美人?」
翔子が好奇心を隠せずに身を乗り出す。
「よくぞ訊いてくれた!」
南藤がにやりと笑う。
「立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花とはよく言ったもの!」
お前テスト1点なのに、よくそんな言葉知ってるな!
「彼女こそ、本当の大和撫子だろう!」
南藤が目をキラキラさせて語る。
なんか変な世界に入ってんぞ、南藤。
「そんなに綺麗やったんか!」
「それはそれは。言葉では言い表せないくらいにさ!」
とかいって、本当はそうじゃないとかいうそんなオチだろ。
作者の魂胆分かってんだよ。
「気になったので、あの娘とおんなじ駅に降りてみたのさ!ちなみに僕が降りる駅は2つ前なんだけどね!」
おい。
それ完璧ストーカーだろ。
翔子も雅も引いてるだろうが。
それでも南藤には関係ないようで、まだ熱く語っている。
「どうやら、ナデシコ女学院のようだ」
学校まで行ったんかい!
「記念に写真をとってみたからみるかい?待ち受け画像にしてあるのさ!」
南藤がバッグから携帯をとって、ディスプレイをみて、またもや、にやりと笑う。
やばいよ、この人。
変態になりつつあるよ。
ってか変態だよ。
と心の中でつぶやきながら、ディスプレイを覗き込む僕。
翔子と雅も僕と同じようだ。
そこには、ナデシコ女学院の制服を着た美女がななめ横から映っていた。
絹のような黒髪に、アーモンド型の澄んだ瞳。
そして、形のよいふっくらした唇にチラリと見える首筋。
「美人~!!」
翔子と雅が驚きの声を上げる。
それを聞いて南藤の口角が上がる。
「そうだろうさ!」
「名前知らへんのか?また会えるって限らへんやろ」
「いいや。まためぐり会えるさ!僕とあの娘は運命の赤い糸でつながってるからね。あと、彼女の名前は知らない」
・・・・・。
「一言いい?」
たまらず僕が口を開いた。
「なんなのさ?」
「いっぺん、病院行け!頭の」




