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到着!
「ついたよぉ!!」
すっかり寝ていた僕は,ハイテンションな翔子の声によって起こされた。
窓越しから外を見ると、ロッジ的な木製の建物が見える。
あれが、翔子ん家の別荘だろうか。
周りは緑に覆われている。
ずっと寝ていたのでわからないが、どこかの山の中だろうか?
外に出てみると、思わず深呼吸したくなるような爽やかな風が吹いている。
緑と緑の狭間からさしこむこもれびは、僕の心を浮き足出させた。
あたりはミンミンゼミと鳥の大合唱である。
だが、いつものようにうるさいとは思わず、僕をよりわくわくさせた。
「うぉぉ!」
先に別荘の中に入った雅が歓声を上げる。
雅に続いて僕が入る。
「すげぇ!」
中を見て僕も思わず声を上げた。