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言い訳。
部屋をでたのはいいものの、僕は彼女の部屋番号を知らなかった。
なんて、カッコ悪い・・・。
そのせいで、勢いがしゅるしゅるとしぼんでいくのがわかった。
はぁ・・・。
僕はいつもこうなんだ。
肝心なところがダメっていうか・・・。
部屋番号を知らなかったら意味ないよね・・・と心のなかで呟いた。
僕は心のどこかでほっとしていた。
そんな僕にもっと嫌気がさした。
部屋番号がわからないなら、戻ってしおりを確かめたり、なんなりできるはずだ。
怖いんだ。
今更、なんなのよって。
あんたなんか嫌いって拒否されるのが。
だから言い訳をして自分から殻に閉じこもる。
傷つけられるのが怖くて・・・。
何で僕はこんなにヘタレなんだろう?
彼女のことは好きだ。
抱きしめたい。
抱きしめたいのに・・・
僕の女だって
指さえ触れさせねぇって。
他の男に彼女を取られたくない。
僕は、生まれて初めて自分が独占欲が強いことを知った。
生まれて初めて、彼女に対する恋心に素直になった。