表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/321

第一週:時間旅行とオリンピック(水曜日)

 さて。秘密裏に行われた『野蛮惑星・地球が発見した斬新なタイムトラベルにどう対応するか会議』の結果、なんと地球は、当時結成されようとしていた(と、その会議の時に決められた)タイムパトロール部隊の技術顧問惑星に任命されることになったのである。


     *


「な?」と、連合本部からの帰り道、五カ国共同派遣団の副団長であったキム=オブシビダンは「正直に報告して良かっただろ?」と、得意気に語った。「彼ら汗ひとつ掻いてなかったじゃないか」


 しかし、それもまったくそのはずで、彼らが連合本部を去った直後、星間連合によるタイムトラベル法は突貫工事的・出前迅速的・落書無用的に整備されると、30ネット時間を遡った時点で施行されたことになることが決められ、そのとおりになりなされたからである(時制の混乱はタイムトラベルには付き物なので、今のうちに慣れておいて下さい)。


 で、まあ、そんなこんなのすったもんだの挙句、そのタイムトラベル法第三条第二項には『タイムトラベルの利用には、星間連合本部の許可が必要である』との旨がしっかりと明記されることになったし、且つ、その同第五条第一項には『過去への干渉は最小限とする』との旨もきっちりと書き込まれることになりなったワケであった。


 なので本来ならば、地球は銀河の覇権を握るチャンスをみすみす逃したことを嘆き悲しむべきであるし、件のキム=オブシビダンは地球中から非難されて然るべきところであったハズなのであるが、タイムトラベルについての歴史そのものが書き換えられこともあり、地球では誰ひとりとしてこのことに気付いてすらおらず、キム家はその後長きに渡り、名誉と繁栄を享受することになるのである――まあ、大銀河グレーテストオリンピックの影響で地球が破壊されるまではね。


(続く)

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ