四章 第六話 シーン3〜4
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美しい夜のエルフの森で、奇妙な対話を続けるアズマ。ドラウガルに乗り込んだ状態で、機兵に乗ったリーネを相手する。ある意味殺し合いより大変で、重要性の高い任務である。
一方リーネはアズマに対し、早速ズバリと切り出した。
「まず〜帝王の件ですが〜。帝国には〜、帝王はいません〜」
「では何が居る?」
「帝剣ですね〜」
リーネは『帝剣』──と口にした。
「帝剣? 聞いた事のない物だ」
「説明が〜、難しいのですが〜。お父様は知っていますかね〜。知っていると〜話が早いです〜」
「いいから話せ。理解する」
アズマも知らない存在だ。だが実在しないとも限らない。
「帝剣は〜宝具の一種です〜。でも機兵よりも大きくて〜、武器として使う物じゃありません〜」
「ではなんだ?」
「答をくれる者〜。アンサラーとも呼ばれていましたね〜」
リーネは問われ説明を始めた。
「まず〜目的を設定し〜、その後情報を入力します〜。すると〜勝手にどうすれば良いか〜、指示をくれる便利な宝具です〜」
リーネは両手を合わせて言った。
「その結果は? 達成されるのか?」
「情報の正確さによりますが〜、ほぼ確実と言って良いですね〜。事実それを使って帝国は〜、領土拡大をしたわけですし〜」
話の内容は壮大だった。
にわかには信じがたい話だが、嘘と決めつけるのも難しい。
「で、お前はどうする?」
「それですが〜、私は帝国へと帰ります〜」
アズマに聞かれてリーネが言った。
「情報を漏らしたとバレるからか? その帝剣と呼ばれる存在に」
「いえ〜。帝剣はたぶん知ってます〜。問題は聖剣達ですね〜」
リーネは言って顔を曇らせた。
「ラファお兄様は人命を〜、なんとも思っていませんし〜。帝国の人達も助けないと〜」
「内輪もめか?」
「そんなところです〜」
そう言えばロンも言っていた。リーネは普段治療していると。
「と、言うワケで後は文面で〜。怪しまれるので帰ります〜」
問題は帝剣と言うよりも、他の聖剣と言う事か。
さて。問題はこの聖剣を、むざむざ帰すのかと言う事だが──
「良いだろう。今回は退くが良い」
アズマはリーネに向かって言った。
「えと、アズマ様。よろしいのですか?」
「構わん。防衛第一だ。奴が逃げればそれは果たされる」
そしてリリエに聞かれて返事した。
「では〜。皆さんごきげんよ〜。お父様にも〜、よろしくと〜」
「安心するが良い。伝えて置こう」
アズマが言うと、リーネの機兵は夜空に向かって飛び立った。そして黄色い光を放ちつつ、帝国の側に消えて行く。
アズマはその様子を見送っても、暫くその場を動かなかった。
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以上がアズマの体験だ。ガルグは伝え聞いた話をした。
「と、まあ大体こんな感じだな」
会議室でガルグは腕を組み、立ったままヘイザーに解説した。
一方のヘイザーは座っている。まあ彼は助け出されたばかりだ。疲れているだろうし仕方ない。
「帝剣か。まさかと思うんだが、『またお前が作った』なんてことは……」
そのヘイザーがガルグを疑った。しかしそれは濡れ衣という物だ。
「ねーよ。どれだけ俺のせいなんだ」
ガルグは少しだけ呆れて言った。とは言え無関係でもないワケで。
「ま、帝剣のことは知ってるが。つーか一応、会ったこともある」
「やはり心辺りがあるようだ」
「何度も言うが俺の作じゃねー。あれを製造したのはドワーフだ」
ガルグはヘイザーに対して言った。
そう。この話には続きがある。ガルグはそれをまったり語り出す。
二人共疲れては居るのだが、休憩をするのには早すぎた。
第六話終。
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