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王都の夜

王都の夜は、静かに沈んでいた。


勇者の私室。天蓋の内側に満ちる空気は重く、魔力の残滓が淡く揺れている。


寝台の上、アストロは仰向けに固定されていた。


見えない力が四肢を押さえつけている。

手首も足首も、寝具に沈み込むように縫い止められている。


本気で力を込めても、微動だにしない。


勇者はゆっくりと寝台に上がる。


長身の影が覆いかぶさる。


豊かな胸が視界を塞ぎ、温かな吐息が落ちる。


「抵抗してみろ」


低い声。


だがアストロは動かない。


動けないのではなく、動かない。


勇者の指先が、彼の胸元へ落ちる。


今夜は布越しではない。


寝衣の前を解き、指が直接肌に触れる。


素肌。


指先が触れた瞬間、アストロの身体が強く震える。


勇者は止めない。


小さな突起を摘まむ。


指で転がす。


くり、とゆっくり。


直接触れた熱が、はっきりと伝わる。


「敏感だな」


もう片方にも触れる。


両側を同時に。


押し、引き、また転がす。


逃げ場はない。


魔力の拘束が、身体を固定したまま震えさせる。


アストロの喉から声が零れる。


勇者はそれを聞きながら、顔を近づける。


舌が耳朶を深く舐める。


湿り気がはっきりと残るほど、ゆっくり。


耳の裏へ滑らせ、軽く噛む。


アストロの背が反ろうとする。


だが動けない。


勇者の手が下へ滑る。


腹部をなぞり、腰骨の線を辿る。


そのまま、ためらいなく奥へ。


布を押し下げ、直接触れる。


確かな熱を掌で包む。


素肌の温度が、指に伝わる。


ゆっくり握る。


一定の圧で。


はっきりと。


アストロの呼吸が崩れる。


勇者は止めない。


上下から同時に刺激を与える。


胸元を指で扱きながら、下も緩急をつけて動かす。


魔力が拘束を強める。


震えを許さないほどに。


限界が近づく。


あと一歩。


その寸前で――


完全に止める。


指も、圧も、すべて。


空白。


アストロの身体が大きく震え、声が途切れる。


勇者は見下ろす。


「まだだ」


再び触れる。


今度はもっと強く。


直接、確実に。


滑らせ、握り、離し、また包む。


胸元も容赦なく転がす。


爪先で軽く引っかき、指腹で押し潰す。


アストロの声が甘く崩れる。


勇者は深く口づける。


荒く、長く。


舌を差し入れ、絡め取り、呼吸を奪う。


そのまま、手は止めない。


寸止めを重ねる。


境界で止める。


また積み上げる。


何度も。


何度も。


逃がさない。


アストロの視線が潤み、力が抜けかける。


勇者は耳元で囁く。


「私の魔力からも、私の手からも、逃げられない」


最後の波。


今度は止めない。


直接触れたまま、確実に導く。


積み上げた熱が一気に溢れる。


アストロの身体が大きく震え、拘束されたまま崩れる。


勇者は魔力を解く。


力を失った身体を抱き起こし、豊かな胸に押しつける。


荒い呼吸が重なる。


「覚えておけ」


低く、静かな声。


「縛っているのは魔力だけではない」


アストロは答えられない。


ただ、勇者の腕の中で震えていた。


夜はまだ終わらない。

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