幕引き
「死にたい」
希死念慮を自覚したのは中学2年の春。何か絶望を感じるような特別なことが起きたわけでもない、なんてこと無い日。きっかけ、なんてたいそうな物もなくただ頭の中に浮かんできた死にたいという言葉。
何故そんな言葉が浮かんできたのか。理由なんてなかったのかもしれないし、日々の小さな嫌なことの積み重ねに限界がきただけなのかもしれない。部活の先輩に理不尽に怒られた、とか弁当に嫌いなピーマンが入っていたとか。
ただ一つ。絶対的な事実として言えることは俺は毎日なんとなく死にたいという思いで今日まで生きてきたという事だ。でもそんな日々も今日で終わり。楽しいことも沢山あったけど、それ以上に死にたいという感情が自分に馴染みすぎてしまった。来週出るらしい新作アイス、あれちょっと気になってたんだよな、とか当たり前に来るはずの未来を考えながら屋上の縁に手をかける。
ーそういえば、自殺の時ってなんで靴を脱ぐんだろう。
靴を脱ぐ。
ー帰ったら靴を揃えなさいって昔怒られたっけな。
靴を揃える。
ー遺書結構自信作なんだよな
遺書を置く。
ーあ、SNS消してって書き忘れたかも。
屋上の縁に立つ。
「……なんだかんだ楽しかったのかもな。」
最後にそんな事を思うなんてと自嘲しつつ、一方で今までで一番満たされた表情をして俺は屋上から飛び降りた。
小説素人ですが、頑張って書くので暖かい目で見守ってください。




