成吉思汗の父さん時代3 タタールは消え去った
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結局勝ち負けよりもその後に影響が高かった十三翼の戦いを終え、遂にジャムカのジャダラン族すら敵わなくなるほどの勢力を得た。しかもかなり結束力も高まった。
何せジャダランと戦って生きて帰れたのだ。更にそのジャダランから多数の寝返り者を抱えるに至るのだ。もはやジャムカに遅れは取らない。
そこに中華の金朝の使者がやって来た。曰くタタール族のメグジン・セウルトが金に反旗を翻し、城塞荒らしをしたらしい。
その報復は滅びだ。金はそれを手伝えと言って寄越したのだ。
テムジンはトオリルのケレイト族も参加するならという条件付きで了承した。
「タタールは敵だけど、金も敵だよ」
使者が去った後、ボォルチュが呟く。
「知ってるさ。しかし今は使える物なら何でも使おう」
トオリルにとってもこれは渡りに舟だ。タタール族はかなり嫌われている。栄光ある草原の民が長城の防備に加担し、挙げ句減丁までやっているのだ。
減丁とは、草原の民が多くなるのを防ぐ為、羊の放牧に出ている若い男性を数に物言わせて捕まえて殺す行為だ。
酷い話だと思うかも知れないが、それほどまでにモンゴルに住む民は恐ろしいのだ。知らぬは本人ばかりだったのだ。
ケレイト、ボルジキン連合は夜襲で。金朝は数に物を言わせての人海作戦でまるまる一週間攻撃しまくる。
テムジンは金朝の武器を見ていた。モンゴルの弓より遠くに届く弩や鉄の鎧は間違いなく手強い。
「あれに勝つにはどうしたら良いかなぁ」
「え?あれとやり合うのですか?これは手厳しい」
テムジンの観察結果にジェルメが溢す。確かに今のままでは厳しい。
「でもジェルメ。あれに勝てなきゃ俺の希望は叶わない」
「全モンゴルを一つにし、交易を起こし何物にも侵されない国を作る事だ!」
テムジンの見る先はジェルメだけではない。どいつよりもこいつよりも遥か彼方の先を見ていたのだ。
翌日、タタール殲滅作戦が始まった。
金朝、ケレイト、ボルジキンが一斉に三方向から攻撃を仕掛けたのだ。
ここに高原最大戦力『だった』タタール族は消滅した。捕虜の男性は全て斬られ、女と家畜は均等に分配された。
ここでテムジンは珍しく慈悲をだした。
「ジェルメ、お前が気に入った職工についてはその命を助けて陣営の生産力にしよう。どうだ?居そうか?」
ジェルメはその命令を待っていた。
自分も奴隷身分としてあれこれやっている。職工の不足は肌で感じていたのだ。
「ありがとうございますテムジン様」
ジェルメは慌てて駆け出した。多分見通しが有ったのだろう。
これによりテムジンは豊かな物産を身につける事になるのだ。
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