第2話 カワダ電器
俺の名前は、中村大祐。
四十三歳。
カワダ電器東山店、店長。
……少なくとも、昨日までは四十三歳だった。
今はどう見ても二十歳前後。
下手をすれば高校生でも通りそうな見た目になっている。
なんで俺だけ若返ったのか。
知らん。
俺が一番聞きたい。
それはさておき。
まずは、俺が店長をしているカワダ電器東山店について説明しておこう。
カワダ電器は、全国に店舗を展開する家電量販店チェーンだ。
東山店は、その中でも郊外型の大型店。
二年前にオープンした店舗で、俺は開店当初から店長を務めている。
広い敷地に、四階建ての店舗が建っている。
正面には、百台は停められる駐車場。
建物の裏には搬入口があり、配送用のトラックや貸出用の軽トラックも置いてある。
一階は、正面にエントランス。
商品受け渡し口もここにある。
その奥はバックヤード。
大型家電の在庫や、入荷した商品の一時保管場所になっている。
二階は、
テレビやパソコンといった、いわゆる黒物家電。
スマートフォン。
ゲームやおもちゃ。
食品や日用品。
集中レジなどもここにある。
そして――
なぜか、専門店みたいに充実したボードゲーム売場もある。
三階は、
洗濯機やエアコンなど、いわゆる白物家電。
炊飯器や電子レンジなどの調理家電。
家具など。
そして――
これまたなぜか、アウトドア用品まである。
四階は、
事務所と、予備のバックヤード。
こうして並べてみると、だいぶ何でも屋に近い。
大型の家電量販店なんて、今ではだいたいそんなものだ。
そして――
それだけ売場があれば、当然、働く人間も多い。
社員。
パート・アルバイト。
メーカーからの販売応援。
同じ店の中にいても、所属している会社が違うなんて珍しくもない。
平日と土日でも、働いている人数は変わる。
イベントがあれば、さらに増える。
一体、何人巻き込まれたんだ?
そう考えた瞬間、背筋が少し冷えた。
本当に平日でよかった……。
俺はそんなことを考えながら、集中レジの受話器を上げた。
館内放送のボタンを押す。
『店長の中村だ。店内にいる全員、二階の集中レジ前に集合してくれ』
……さて。
今日、この東山店には、一体何人いるんだろうな。
明日21時公開予定!




