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Episode 36 あなたの唯一の願いは何ですか?

2012年12月8日:ソーヌ川のほとりにて

私たちは皆、ソーヌ川の近くにいました。

レモン: 「リリー、今日は12月8日だよ。リヨンでは今、光の祭典(Fête des Lumières)がやってるんだ。」

リリー: 「わあ…なんて綺麗な光。街全体が輝きに包まれているみたい。」

ソーヌ川(Saône)の岸辺では、「川の住人(Ceux du Fleuve)」という特別な芸術作品が展示されていました。川沿いの建物には、音楽の波に合わせて泳ぐピンクの魚や人魚、そして眠っている人々の姿が映し出されています。川面に映るその光は、まるで動き出す絵画のようでした。

ベルクール広場には、ジャック・リヴァルによる「I love clouds」が飾られていました。ルイ14世の像の上には、色とりどりの巨大な風船の束が空へ舞い上がっているかのように輝き、広場全体を幻想的な色で染め上げていました。

サン・ジャン大聖堂の壁には「エボリューション(Evolutions)」というプロジェクションマッピングが映し出されました。レーザーと光によって、古びた石壁が形を変え、建物全体が音楽に合わせて踊っているかのようでした。

こうした近代的なショーの傍らで、リヨンの人々は窓辺やベランダに何千もの「ルミニョン(小さな土のキャンドル)」を灯していました。その小さな炎が路地を黄金色に照らし、近代技術と伝統が見事に、そして情熱的に溶け合っていました。

レモン: 「リリー、今日はみんなでソーヌ川にコインを投げよう。願いが叶うように。知ってる?サヤンのお母さんもここでコインを投げて願い事をしたんだって。サヤンは、両親が結婚して何年も経ってから生まれた大切な子なんだよ。」

リリー: 「わかった、投げよう!」

(リリーの心の中で): 「もし私がこのコンクールに優勝できたら、サヤンの心も掴み取ることができますように。どうか、私を勝たせてください。」

(サヤンの心の中で): 「リリーが絶対にこのコンクールで優勝できますように。彼女の『アン・レーヴ(夢)』が叶ってほしいんだ。」

レモン: 「リリー、君の『アン・レーヴ(Un rêve)』は何?」

リリー: 「アン・レーヴ?それって何?」

レモン: 「アン・レーヴは、フランス語で願いや目標、つまり人生の夢のことだよ。」

リリー: 「…私のアン・レーヴは、まだ秘密。」

数日後:パリにて

イザベラは、コンクールに備えて一週間早くパリに行くことを決めました。みんなが準備のためにパリへ向かいましたが、サヤンだけはコンクールの前日に到着しました。

サヤン: 「見てリリー、あれがエッフェル塔だよ。」

リリー: 「レモン!私たちの写真を撮って!」

私たちは一日中、最高に楽しい時間を過ごしました。

リリー: 「イザベラ先生、明日はコンクールなのに、こんなに遅くにどうして私を呼んだのですか?」

イザベラ: 「パリ……ここは夢の街よ。ここでは大きな夢が叶う。ただ、それを成し遂げる勇気さえあればね。さて!今日は、本当の一流バレリーナにしかできない特別な動き(ムーブ)をあなたに教えるわ。」

リリー: 「私……本当にこのコンクールで勝てるのか、不安なんです……。」

イザベラ: 「私はあなたを心から信じているわ。あなたが踊る時、私はそこに昔の自分を見ているのよ、リリー。あなたは他のバレリーナとは違う。サヤンが、あなたがパレ・ガルニエ(オペラ座)に行きたがっていると言った時、私は彼に『優勝は約束できない』と言ったわ。時間はたった3ヶ月しかなかったから。でも、あなたがサヤンと賭けをしてからの努力は、誰よりも凄まじかった。今のあなたならできるわ。」

(イザベラはリリーに、一つ一つの動きを丁寧に、魂を込めて教え込みました。その夜、リリーは心地よい疲れと共にホテルに戻りました。)

ホテルの部屋にて

サヤン: 「リリー、入ってもいいかな? 2分だけでいいんだ。」

(リリーは練習の手を止め、ドアを開けます。)

リリー: 「ええ、いいわよ。どうしたの、サヤン?」

サヤン: 「リリー、明日のバレエで、このドレスを着て踊ってくれないか?」

リリー: (驚きと喜びで微笑みながら)「これは……! これはあの、選ばれた女の子だけが着られるドレスじゃない! でもサヤン、どうしてこれを私に?」

サヤン: 「君が明日勝つって、僕は確信しているから。君がこれまで積み重ねてきた努力に比べれば、これは本当に小さな贈り物だよ。」

明日、リリーはバレリーナの頂点に立てるのでしょうか?

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