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colorful〜rainbow stories〜  作者: 宮来 らいと
第1部 来川ナナ編
33/354

第1章 きみどり色の草原で (来川ナナ編) 前編

春。僕は目覚まし時計で目を覚ました。


??

「……はぁ……。朝か……。」


僕の名前は真瀬莉緒(まなせ りお) 。この春に6つの高等学校が合併した、六郭星学園に通う高校3年生だ。


真瀬莉緒

「僕は今日から六郭星学園の生徒か…。」


今日から新たな友達と授業を受ける。そう思っただけでドキドキした。


真瀬莉緒

「大丈夫…大丈夫…。」


僕はそう言い聞かせながら支度をし、六郭星学園に向かった。




六郭星学園 校門


真瀬莉緒

「ここが六郭星学園…」


??

「何か…すごいところね。」


この人は真瀬志奈(まなせ しな)。僕の双子の姉。

姉さんもこの学園に通う高校3年生だ。


真瀬莉緒

「でも、合併して方針が変わって全寮制になるなんて思わなかったよ。」


真瀬志奈

「でも寝坊しなくなるんじゃない?」


姉さんは笑顔でそう言った。


真瀬莉緒

「それ言わないでよ…。」


僕は照れながらそう言いました。

姉さんは僕をからかうのが好きなんだ。


真瀬莉緒

「…で、姉さんはどこのクラスだったの?」


真瀬志奈

「私は…Eクラスね。」


真瀬莉緒

「へぇ…俺はKクラスだったよ。バラバラになっちゃったね。」


真瀬志奈

「そうね。学校内でも会えるし、問題ないわよ。」


真瀬莉緒

「それもそうだね。じゃあ、そろそろ自分たちの教室行こう。」


真瀬志奈

「えぇ。」



六郭星学園 校内



真瀬莉緒

「へぇ……広いね……。」


さすがは六郭星学園。6つの学校が合併しただけあって校内はかなりの広さだ。


真瀬莉緒

「教室はどこだろう……?」


教室を探して、階段を登ろうとしたとき……



足を踏み外して、倒れてしまった。


真瀬莉緒

「痛たた……。」


??

「大丈夫ですか!?」


そこへ1人の女子生徒が駆けつけてくる。


??

「お怪我はありませんか?」


真瀬莉緒

「あ……はい……。大丈夫です。」


??

「そうですか……。ならいいんですけど……。」


そう言うと、もう1人女子生徒がやってきた。


??

「お?なになに?事件ですかな?」


??

「そんな場合じゃないの!……すみません。お怪我がないようなので……私たちは失礼しますね。」


2人の女子生徒は教室の方へと行ってしまった。僕も急いで自分の教室へと向かう。



六郭星学園 Kクラス教室



教室に行くとさっきの女子生徒たちがいた。


??

「あ、同じ教室の人だったんですね!」


??

「これはこれは運命ですな!」


2人ともクラスメイトになるみたいだ。


??

「あら、もう知り合いができたの?」


後ろから別の女子生徒が声をかける。


真瀬莉緒

「いえ……先ほど会ったばかりなので……」


星野シキア

「そう……私は星野シキア(ほしの しきあ)。よろしくね。」


来川ナナ

「自己紹介がまだでしたね。来川ナナ(らいかわ なな)です。よろしくお願いします。」


古金ミカ

「古金ミカ(こがね みか)でーす!よろしくー!」


真瀬莉緒

「僕は……真瀬莉緒と言います。よろしくお願いいたします!」


自己紹介を済ませて僕は自分の席についた。

チャイムが鳴りホームルームが始まり、教室に担任の先生が入ってきた。担任の先生は見知らぬ先生だった。


??

「おはようございます。今日からKクラスの担任になります。笛花奏(ふえばな かなで)といいます。教科は音楽です。よろしくお願いします!」


笛花先生か……優しそうな人だな……。


笛花奏

「皆さんもご存知の通り、6つの学校が合併をして、新しく六郭星学園となりました。皆さんも親しい人や見慣れない人もいるかもしれません。1年間という短い期間ではありますが仲良く過ごしましょう!」


先生がそういうとクラスメイトは「はい。」と返事をする。


そして、先生が次に出た発言は唐突な発言だった。


笛花奏

「いきなりではありますが、これから皆さんにはある課題をしてもらいます。」


それを聞いた時、クラスはざわつく……


笛花奏

「いきなりでごめんね。これから2人1組たりない場合は3人1組になってもらいます。そのペアで、課題をしてもらいます。」


男子生徒A

「課題の内容はなんですか?」


笛花奏

「良い質問。課題の内容は自由研究です。6月に皆さんの前で発表してもらいます!課題のペアはこちらの席からくじを引いてもらいます。」


言われるがまま、くじを引いていく……

そして、僕の順番が回ってきた……周りの人を見るとくじの中身はカラーボールだ。僕が箱の中に手を入れて引いたボールの色は……薄茶色だった。


笛花奏

「それでは、同じ色のカラーボールを持っている人とペアになってください。」


僕は同じ色のボールを持った人を探す……

同じ色のボールを持っていたのは……。


来川ナナ

「あ、同じ色ですね!よろしくお願いします!」


来川さんだった。優しそうな人で良かった……これから1年よろしくお願いします。


笛花奏

「皆さん同じペアの人わかりましたね。では……自己紹介をしていきましょう!では、そちらの方から!」


星野シキア

「はい。星野シキアです。みなさんよろしくお願いいたします。」


笛花奏

「丁寧ね……。では次は……あなた!」


古金ミカ

「はい!古金ミカで〜す!みなみなよろしくお願いしま〜す!」


笛花奏

「……明るい子ね。じゃあ次の人。」


真瀬莉緒

「はい。真瀬莉緒です。特技は楽器という楽器はほとんど弾けます。よろしくお願いします!」


笛花奏

「お、これは期待ね!今度聞かせてね!」


真瀬莉緒

「あ、ありがとうございます!」


笛花奏

「じゃあ、次はあなた。」


来川ナナ

「はい。来川ナナです。1年という短い期間ではありますが、どうかよろしくお願いいたします。」


笛花奏

「真面目な子ね。……でも大丈夫?」


来川ナナ

「え……?何がですか?」


笛花奏

「いえ、ごめんなさいね。じゃあ次の人!」


こうして順番に自己紹介をしていく……


笛花奏

「はい。これで皆さん自己紹介しましたね。では、ホームルームを終えます。改めてよろしくお願いします!」


そして、先生は教室から出て行った。


先生が出て行ったあとはクラスメイトたちは周りの人と雑談をしている。


僕はあまり雑談は得意ではないが、さっき知り合った女子たちが話しかけてきた。


古金ミカ

「ねえねえ、君ってどこの学校出身なの?」


来川ナナ

「ミカ!いきなり話しかけないの!……まあ、気になるのはわかるけど……。」


星野シキア

「莉緒は……桃乃木音楽高等学校よね。」


真瀬莉緒

「えっ……どうしてそれを!?というより下の名前……?」


星野シキア

「楽器を弾けるとしたらそこしかないわよ。私は翠木高等学校よ。あと、呼び方は自由よ。」


真瀬莉緒

「かなりの偏差値の高校ですよね。すごいですね。なるほど……呼び方か……」


古金ミカ

「私は紅影高等学校。偏差値は低いかもしれないけど、学年ではトップ10に入るくらいだからよろしく。」


真瀬莉緒

「おお……それは期待ですね。」


来川ナナ

「私は蒼沼化学学校です。親は病院を経営していますが、医療専門の高等学校がなかったので……」


真瀬莉緒

「そうなんですね。親が病院の経営か……。すごいですね!」


そういえばこの3人は親しい様子だけど、知り合いなのだろうか?


真瀬莉緒

「ちなみにみなさんはお知り合いなんですか?」


星野シキア

「ええ、合併説明会の時に知り合ったばかりだけどね。その後の説明会の後の謝恩会で意気投合して……こんな感じにね。」


古金ミカ

「あの時は楽しかったね!今も楽しいけど。」


来川ナナ

「ええ、これからも楽しみね。真瀬さんもこれからよろしくお願いします!」


真瀬莉緒

「はい。よろしくお願いします。」


その後もたわいもない話をして、僕たちは帰路に着いた。


寮制度は明日からであり、2人1組の部屋になっている。


翌日……教室に行くと、来川さんが先に座っていた。


来川ナナ

「あ、おはようございます。真瀬さん。」


真瀬莉緒

「おはようございます。」


来川ナナ

「今日もいい天気ですね。」


真瀬莉緒

「そうですね。」


来川ナナ

「…………。」


真瀬莉緒

「……?来川さん……?」


来川ナナ

「ああ、すみません。あの……課題の方……は……どうしますか?」


真瀬莉緒

「あ……そうですね……。」


来川ナナ

「もしあれでしたら……真瀬さんのやりたいことを課題にしましょう!」


真瀬莉緒

「え、僕がやりたいことですか?」


来川ナナ

「はい。真瀬さんがよければですけど……。」


真瀬莉緒

「そうですね……。音楽室にある楽器を使いましょうか?」


来川ナナ

「良いですね!それでは、放課後に音楽室に行きましょう!」


真瀬莉緒

「わかりました。では放課後で。」


そして……放課後……



六郭星学園 音楽室



真瀬莉緒

「ここが音楽室か……。」


来川ナナ

「広いですね……!」


真瀬莉緒

「そうですね……。」


来川ナナ

「では、真瀬さん。音楽室で何をしますか?」


真瀬莉緒

「そうですね……。」


何をするか考えているとき、1人の男子生徒が、音楽室の扉を開けた。


??

「ん……?来川か……?」


来川ナナ

「ケ……ケント……?」


2人は驚いた様子だった。ケントという人は来川さんと知り合いなのか?


夜坂ケント

「すまない。俺の名前は夜坂ケント(よるさか けんと)。Eクラスだ。……って言うか……真瀬の弟か?」


Eクラス?……ああ、それなら姉さんのクラスだ。夜坂さんが知っているのもわかる。


真瀬莉緒

「はい。真瀬莉緒です。よろしくお願いします。」


夜坂ケント

「ああ……。よろしく。」


来川ナナ

「ケント……。」


夜坂ケント

「来川……お前、もしかして曲を……?」


来川ナナ

「ち、違うわよ。真瀬さんがやりたいことを課題にしようとしているだけ!」


夜坂ケント

「そうか……でも、真瀬の弟なら姉と同じで楽器を何でも弾けるんじゃないのか?」


来川ナナ

「そ、それは……。」


来川さんは僕を見る。


真瀬莉緒

「……はい。僕も姉さんと同様、色々な楽器を弾けることができます。」


夜坂ケント

「本当か!じゃあ、来川の弾けるピアノはどうなんだ?」


真瀬莉緒

「弾けます。」


夜坂ケント

「そうか……なら、弾いてくれないか?」


来川ナナ

「ちょっと……ケント!」


真瀬莉緒

「わかりました……。弾かせていただきます。」


僕は言われるがままにピアノを弾く……



ピアノが弾き終えた。……夜坂さんの反応を見てみると、なるほどと思っているような表情をしていた。


夜坂ケント

「どうだ、来川。真瀬の弟と曲を作ったらどうだ?」


来川ナナ

「私は……真瀬さんが言うのであれば……」


夜坂ケント

「……だそうだ。どうする……?」


夜坂さんは僕に問いかける。


曲を作るのは難しいけど……来川さんがやりたいのならやってもいいかな。


真瀬莉緒

「わかりました。やりましょう。」


来川ナナ

「え……いいんですか?」


夜坂ケント

「……良かったな。来川。俺は戻るから曲作り頑張れよ。」


そう言うと夜坂さんは去っていった。


来川ナナ

「…………。」


曲作りを始めようと思ったものの、来川さんはどこか拍子抜けしているような気がする。


作曲は明日にして、今日は寮の方に行くことにした。



六郭星学園 寮


真瀬莉緒

「ここが僕の部屋か……。」


部屋は2人1組。つまりもう1人この部屋で寝泊まりする人がいる。果たしてどんな人なのか……


真瀬莉緒

「失礼します……。」


部屋に入るとそこには……


夜坂ケント

「ん?真瀬の弟か?」


真瀬莉緒

「夜坂さん……!?」


部屋のパートナーは夜坂さんだった。


夜坂ケント

「真瀬……莉緒。莉緒でいいか?」


真瀬莉緒

「はい。莉緒でお願いします。」


僕がそう言うと、夜坂さんは考え込み、こう呟いた。


夜坂ケント

「こうも簡単に言ってくれれば……」


真瀬莉緒

「え?」


夜坂ケント

「ん?あぁ……すまん。独り言だ。気にしないでくれ。」


真瀬莉緒

「はぁ……。」


夜坂ケント

「……こうして同じ部屋になったんだ。ゆっくりしていてくれ。俺は少し外へ行くから、出かけるなら部屋の戸締まりは頼むぞ。」


そう言うと夜坂さんは外出しにいった。


それにしても疲れた……こんな時はあれでも見よう。


最近ハマっているVtuberの動画だ。名前は綺羅星メルマ(きらぼし めるま)。ここ最近で登録者数が60万人を超えた、今1番勢いのある女性Vtuberだ。


綺羅星メルマ

「星々のみんな〜!みんなのアース。綺羅星メルマで〜す!」


いつものかけ声にいつもの挨拶。最近の心の拠り所だ。


綺羅星メルマ……癒されるな……。


メルマの動画をひと通り見終わると僕はすぐに寝床についた……。

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