現れたのは
後、1話で完結します。
次の日の18時に投稿します。
「これはどういう事だ」
声と共に地面が光るとそこからシャルディア様が現れた。
「シャルディア様……」
『僕達が呼んできたよ!』
3人の精霊がミーシャの周りを飛ぶ
「ミルク、マカロン、チョコ……」
「ミーシャ、これは一体どうしたのだ」
「あ、あの……」
「貴方がシャルディア様ですね!」
アイラが興奮し殿下を押し退けつかつかとやって来る。
「誰だお前は」
「お初にお目にかかります。 新しい聖女のアイラと言います」
「貴様が……」
「はい、シャルディア様からいらして下さるなんて感激です」
「なに?」
「私が聖女になった事を祝福しに来てくださったのですよね」
「ほぉ」
「文献で読みました。 聖女になった者は精霊王に祝福されると!」
アイラ様の言葉で周りがざわつく。
精霊は聖女にしか見えない為信じる者も少ないが、まさかその上の精霊王がやって来るとは思ってなかったからだ。
精霊王については少しだけ文献が残っている。過去の聖女が残したものだ。
―精霊王とは精霊の頂点に立つ者。精霊王は聖女に祝福を与え見守る。聖女を蔑ろにした場合、その国に導きはない―
「精霊王シャルディア様とお見受け致します」
「お前は?」
「私はこの首都の神殿の司教をさせて頂いております。 この度はシャルディア様にお会い出来光栄でございます」
「あぁ、お前が……精霊の国の司教の癖に精霊を信じてないやつか」
「っ……そのような事はございません。それより、ミーシャはもう聖女としての立場にはいられないでしょう」
「なぜだ」
「ミーシャ様はとても優秀な方でした。ですが、心に闇を持ってしまっては聖女とは言えません」
眉毛を下げ、うるうるとした目を向ける、
「ですが、私が新しい聖女になりましたので心配はいりません!」
「…………」
「貴様、聖女がどういうものか知っているのか?」
「勿論です! 民を癒し健やかに過ごせるよう導く」
「違う」
「え?」
「確かに民を癒すのは聖女だ。 だが、聖女は神ではない1人の人間だ。 それに民を導くのは人間の王がする事であって聖女のする事ではない」
「ですが、聖女のみ使える力が……」
「あれは初代が民の為を思い修行をし努力した結果、祝福を与えられたのだ。 ただほいほいと与えられるものではない」
聖女は万能ではない。
出来ない事もある。けれど、それを補う努力をしている。今までの聖女様だって、選ばれたからと胡座をかく人はいなかった。
「貴様は努力したのか?」
「っ……わたし、は」
精霊王からの言葉に詰まる。
「ア、アイラはそこにいるだけで皆が癒される! それに、ちゃんと癒しの力だって使えている!」
皆が呆然とする中、殿下がそう叫ぶと周りの重鎮達も
「確かにアイラ様は癒しの力を使えている」
「そ、そうだ! それは聖女と認められたも同然だ!」
「アイラ様はちゃんと民を癒している!」
アイラが癒しの力を使える事で、聖女として祝福された者だと安心する。
「なんだ? ミーシャから聞いてないのか。 その娘の力はもう残ってないはずだ」
「なっ! そんな馬鹿な! 昨日だって民を癒してたぞ!」
「すぐに無くなる事はないだろうが、それでもいずれは力は弱まり聖女ではいられないだろう」
「そ、そんな」
「ミーシャは忠告した筈だ、その娘は聖女として不安定だと」
「不安定でも精霊に認められたからには聖女になるはず!」
「はぁ……それも言っていた筈だ、精霊は眠っていると」
「……」
「だが、残念な知らせだ。 その精霊は目覚めない」
「!?」
「シャルディア様! それはどういうっ……」
じゃあ、あの精霊は……
「心配するな、精霊の良くないものは消えたがもう一度生まれ変わる事になっただけだ」
「それじゃあ」
「あぁ、今度会ってやってくれ」
「……良かった」
私はほっとしたが、周りが静かな事に気付く。
「アイラが聖女じゃ、なくなる……?」
「そ、そんな! 待って下さい! 一度聖女と決まった事が覆る事なんてあるんですか!?」
「前例はないな」
「だったらっ」
「だが、聖女には精霊が必要だお前にはいない」
「他の精霊に付いて貰えれば!」
『やだよ! 誰がお前なんかの精霊になるもんか!』
『そーそー! あんたみたいな意地悪な人の精霊になりたい子はいないわよ!』
『自業自得』
ぶーぶーとミーシャの精霊達が文句を言う。
アイラは精霊が見えない為、ミーシャとシャルディア様だけが聞こえている。
「ふっ……残念だったな。 精霊達はお前は嫌だと言っている」
「なっ……!」
顔を真っ赤にし怒りに震える。
お読み頂きありがとうございます。




