表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【アニメ化決定】ロメリア戦記~魔王を倒した後も人類やばそうだから軍隊組織した~  作者: 有山リョウ
第七章 ラナル平原編~ガリオスの脅威~ 

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

491/491

第三十二話 翼の参陣

ロメリア戦記のアニメ化が決まりました!

ロメリア戦記がアニメになります。アニメ公式サイトがございますので、是非ご覧ください。


 

 謁見の間を出た私を、ずっと待っていたレイが駆け寄ってくる。


「ロメリア様、どうでしたか?」

「アラタ王は快諾してくれましたよ」

 私は少し事実を歪曲した。結果は同じなのだから、王が英断を下したとしたほうがいい。


「城の外では、カイルやオットー達が兵舎で待ちきれずに来ているようです」

 レイの報告に私の口元が緩む。私は部下に恵まれている。


「分かりました。明朝ラナル防壁へと向かいます。翼竜は飛べますか?」

「大丈夫です。翼竜はその気になれば三日は飛べます」

 レイが断言する。ライオネル王国では翼竜の第一人者である、レイが請け負ってくれると心強い。しかし三日も連続で飛べるとは驚きの体力だ。


 そのままレイを伴い、王城ラクラーナの城門を出た。するとそこに、八人の兵士達が門の前に整列していた。彼らは城から出てきた私を見ると、一斉に駆け寄ってくる。


「ロメリア様、お待ちしておりました」

 黒い鎧を身軽に弾ませるのは、ロメリア二十騎士のカイルだった。現在ではカイルレンと名を変え、将軍の地位にまでなっていた。その背後にはオッテルハイム将軍と名を変えた、オットーが山のような巨体を揺らして走る。更にロメリア二十騎士に名を連ねるベン、ブライ、ゼゼ、ジニ、ボレル、ガットがいた。全員、辺境とされていたカシューで、私に最初についてきてくれた兵士達だ。


「皆さん、久しぶりですね」

 私は顔を綻ばせた。最初に会った時のことを思い出せば、皆が少し老けていた。しかし目の輝きは変わらない。新兵の時のように力強い。


「カイル、よく来てくれました。貴方の力を貸してくれますか?」

 身が軽いカイルは、ロメリア二十騎士の中でも随一の俊足を誇る。その身のこなしは、目に追えぬほどだ。


「もちろんです。ご用命があれば、いつでも駆け付けますよ」

 カイルは猫のように目を細める。


「オットー、エリーヌさんとエリオットは元気ですか? 急に呼び出してしまい、すみません」

 私が視線を向けると、オットーは短い髪を掻いた。

 オットーはエリーヌさんという女性と結婚しており、エリオットという男児をもうけている。まだ一歳にもなっていない子供から、父親を引き離すのは心苦しい。しかし魔王軍との戦いに、怪力を誇るオットーの存在は必要不可欠だった。


「ベン。また太りましたか? すみませんが、美食の追求はまた今度にしてください」

 私はお腹の突き出たベンを見る。彼は二十騎士随一の健啖家で、おいしいものを食べるのが大好きだ。王都に居るといろんな物を食べられると喜んでいるが、またの機会にしてもらおう。


「戦場で料理をするのも好きですから」

 ベンは朗らかな笑みを見せる。


「ブライ。兵士の訓練を切り上げてもらうことになりますね」

 私は禿頭の巨漢を見上げた。ブライは人柄もよく面倒見もいい。新兵を預けると、短い期間で一定の水準に高めてくれる。彼を連れていくと兵士の育成に問題が出るが、オットーに次ぐ体格と力の持ち主であるため、戦線を支えるのに不可欠だ。


「ロメリア様のお呼びとあらば、どこにでもいきますよ」

 ブライは禿頭をつるりと撫でる。


「ゼゼ、来てくれますか?」

「もちろんですよ、サッといって、ガーンとやって、バーンと戦って見せますよ」

 ゼゼが満面の笑みを見せる。底抜けに明るいゼゼは、兵士達の士気をよく高めてくれる。今回の戦いは、苦戦が予想される。部隊を明るくするゼゼの力は役に立ってくれるだろう。


「お前、はしゃぎすぎて怪我をするなよ」

 隣に居るジニが溜息を吐く。落ち着いて思慮深いジニは、気苦労が多い。しかしその分慎重で、また敵の攻撃を見切る目がある。


「ジニ、ゼゼを抑える役を頼みますよ」

「分かりました、ロメリア様。お任せください」

 ジニは苦笑いを浮かべながらも頷く。


「ガット、お子さんが生まれるまでは、王都に居させてあげたかったのですが」

 私は黒髪のガットを見た。彼はボレルの妹であるポーラさんと去年結婚した。ポーラさんのお腹の中には子供がおり、半年後に出産予定だった。


「いえ、ポーラにはしっかり戦ってこいと言われています」

 ガットは顔を引き締め敬礼する。ポーラさんが妊娠してからというもの、ガットは顔つきが変わった。父親としての自覚が出来たのかもしれない。こうなると何としてでも、生まれる前に戦いを終える必要がある。


「ボレル、貴方も心配と思いますが……」

「いえ、お気になさらず。我が家は大家族ですから、出産はそれほど心配していません。子育ても母や親戚が手伝ってくれますので」

 ボレルは問題ないと顎を引く。そういえばボレルの家系は大家族で兄弟が何人もいる。ポーラさんも弟や妹、親戚の子供の面倒をよく見ていた。子育ての経験は積んでいるので、私が心配することでもないかもしれない。


「皆さん。今回の戦いは、ガリオスとギャミが出てきています。厳しい戦いとなるでしょう」

 私は巨漢のガリオスと小柄なギャミの姿を脳裏に浮かべた。ガリオスは見た目どおりの怪力無双の怪物だが、ギャミの頭脳もまた怪物だ。二頭の竜を相手にするに等しい。


「しかし、必ず倒さねばなりません」

 私の言葉に、この場にいる九人が声を揃えて返事をする。裂帛の声が大気を震わせる。ガリオスとギャミの力を、ここにいる全員が知っている。だが誰一人として臆してはいない。


「アラタ王から移動に限り、翼竜の使用許可が出ました。明朝、日の出と共に出発します。それまでに準備を整えておくこと」

 私の指示に兵士達が頷く。私は最後にレイを見た。


「レイ、私はこの後またヴェッリ先生のところに向かいます」

 無理にカイル達を引き抜いたため、王都の現場では混乱が起きるだろう。最低限の後始末をしておかなければいけない。それにホヴォス連邦と同盟をするならば、その草案もある程度形にしておきたい。忙しくなりそうだった。


「分かりました。明日の朝はヴェッリ様のお宅に、翼竜でお迎えにいきましょうか?」

 レイが気を利かせてくれる。私はお願いしますと言いかけて止めた。


「いえ、私の家、グラハム邸に迎えに来てくれますか?」

「それは構いませんが、何か忘れ物ですか?」

「ええ、長く忘れていたことを思い出しまして」

 私はニッコリと笑顔を見せたが、レイは何のことか分からず首を傾げた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
>翼竜はその気になれば三日は飛べます れい「翼竜にもロメリア様の素晴らしさを叩き込んでおきましたので」
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ