表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【アニメ化決定】ロメリア戦記~魔王を倒した後も人類やばそうだから軍隊組織した~  作者: 有山リョウ
第七章 ラナル平原編~ガリオスの脅威~ 

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

490/490

第三十一話 王との面会④

ロメリア戦記のアニメ化が決まりました!

ロメリア戦記がアニメになります。アニメ公式サイトがございますので、是非ご覧ください。


 私が王になりたいと言い切ると、鋭い声が飛んだ。


「この痴れ者め! 王になりたいなど謀反を口にしたも同然だ! セルゲイ、この者を斬れ!」

 アーカイト王太子が私に指を突き付け、セルゲイも握る槍を私に向けた。

 槍を構えるセルゲイが、一歩前に踏み出そうとしたその時、アラタ王が口を開く。


「待て、動くな!」

「何故です! 父上。この者は謀反人です!」

 アーカイト王太子は語気を荒らげるが、息子を見るアラタ王の目は驚くほど冷たい。


「そのほうは黙っておれ」

 アラタ王は氷の目を、そのまま私に向ける。


「王になりたいと、其方本気か?」

「いけませんか? 私はそれだけの手柄を立ててきたはずです」

 私はこれまで、自分が成してきたことを思い返した。


「私はアンリ王子と旅をし、魔王ゼルギスを討伐しました。そしてセメド荒野の戦いではガリオスを撃退し、ザリアの乱では謀反人ザリア将軍も討ち取った。ガンガルガ要塞攻略戦においても、その武功を列強各国に知らしめました。私は十分な手柄を立ててきたはずです」

 これまで立てた主要な手柄だけでも、歴史書に残る武勲と言える。


「この上で私はローバーンから魔族を追い出し、更に魔大陸に渡り奴隷となった人々を解放します。それだけの手柄を立てれば、国一つ貰ってもいいはずです」

「……国を得た後はどうするつもりだ?」


「もちろん、偉そうにして過ごしますよ。まぁ故郷に帰れないのは残念ですが、王様になれるのですから、それぐらいは……」

 返事をする私に、アラタ王は目を細め刃のように鋭い瞳を私に向ける。背筋が凍り付きそうな視線だ。頭の中では私を殺すかどうかを考えていることだろう。しかしアーカイト王太子のように、すぐに殺せとは言わない。故郷に帰らないとした言葉に迷っているのだ。


 アラタ王は猜疑心が強く、人を信用しない。だが一方で、利用出来る者を利用する人間でもある。私が魔大陸に赴き奴隷となった人々を救えば、ライオネル王国は人類を救ったと称賛される。当然アラタ王も、名君として歴史に名を残す。さらに私が魔大陸で自らの王国を築けば、私に謀反を起こされる心配もなくなる。


 アラタ王にとっては、最大の障害が遠い海の果てに自分から出ていくのだ。

 もちろん私に国をくれてやるのは嫌かもしれないが、海を隔てた魔大陸は遠い、誰かに統治を任せねばならない。適任は私しかいない。


「……世界の全てが、其方の思いどおりになると思っているのか?」

 呟くような声で問うアラタ王に、私は笑った。


「全てが私の思いどおりになるのでしたら、もっと楽をしたいですね。私は私の望みを叶えるために、状況を整えているだけです。もしこれが駄目でも、次の手を取るだけです」

「傲慢な女め、そんなことが出来ると思っているのか?」


「逆に問いますが、何故出来ないと思うのです? 魔王ゼルギスを倒した時、私はアンリ王子とたった二人で旅立ちました。誰もが無謀だと言いましたが、私達は魔王を倒した。そしてカシューに向かった時、私は一人でした。女に軍を率いることなど出来ないと、誰もが笑いました。しかし今、私は万の軍勢を率いて戦場に立っています。何故出来ないと言えるのです?」

 私はアラタ王の目を見て言い返した。


 アンリ王子と二人で旅に出てから、すでに十年が経過しようとしていた。その間、私は多くのことを経験し、さまざまな困難を乗り越えてきた。そしてこれからも乗り越えていくだろう。


「アラタ王」

 私が名を呼ぶと、アラタ王は背筋を震わせた。


「ホヴォス連邦との同盟ですが、王がされないと言うのであれば、私は構いません。新型の攻城兵器の使用を許可されずとも、私は構いません。二十騎士を派遣されないとしても、それも構いません。別の方法を取るだけです。そして私は必ず魔大陸に、あの魔族が支配する大陸に到達してみせます。どれほど時間を掛けてでも」

 私は右の拳を握り締めた。


 手袋に包まれた手は、布越しに爪が食い込む。かつて魔大陸を去るとき、私は爪が食い込むほど手を握り締め、必ず奴隷となった人々を救うと誓った。そしてこのような苦しみを次の世代に残さぬため、私が全てを終わらせてみせる。


 それからしばらく後、アラタ王は私の願いを聞き入れてくれた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
もしアンタが首を縦に振らなくても、全部自分でなんとかする。 そして、そのときには、アンタには1個もやらん!槍を向けない義理もない。 こうですね、わかります。
アラタ王にしても、(表面上だけでも)ロメ様が穏やかに出ていってくれたほうがありがたいですからねぇ
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ