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【アニメ化決定】ロメリア戦記~魔王を倒した後も人類やばそうだから軍隊組織した~  作者: 有山リョウ
第七章 ラナル平原編~ガリオスの脅威~ 

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第二十八話 王との面会①

ロメリア戦記のアニメ化が決まりました!

ロメリア戦記がアニメになります。アニメ公式サイトがございますので、是非ご覧ください。



 すでに外は陽が暮れ、星が瞬いていた。月がかかる城の尖塔に向かって馬車を走らせる。篝火が焚かれた城門の前では、衛兵が警備についていた。また衛兵のほかに蒼い鎧を着た騎士が門のかたわらに立っている。竜舎で別れたレイだ。


「ロメリア様、お待ちしておりました」

 馬車を降りた私に、レイが駆け寄ってくる。

「レイ、いろいろありがとうございました」

 将軍だというのにあちこち走らせてしまい、すまないと思う。


「いえ、この程度。兵舎にカイルやオットー達を集めています」

「ありがとう。アラタ王との会談が終われば、そちらに向かいましょう」

 私はレイと共にラクラーナの門に向かうと、衛兵が城門を開けてくれた。


 ラクラーナは石造りの武骨な城だ。内部は赤い絨毯が敷かれ美しい調度品が並んでいるが、王が住むにはいかめしい造りだった。防衛力は高いが、美しくはない。ほかの列強各国では、王が住むのは壮麗な宮殿であるのが普通だ。


「ロメリア様ですね。アラタ王がお待ちです」

 ラクラーナに入った私に、赤と黒の服に身を包んだ青年が歩み寄る。赤と黒の意匠は王の侍従だ。手を差し伸べて案内する侍従の後に、私とレイは続く。


「ロメリア様。アラタ王は頼みを聞いてくれるでしょうか?」

「連合軍の危機ですから、アラタ王も納得していただけるでしょう」

 侍従の耳があるため、私は慎重に言葉を選んだ。だがアラタ王は簡単に私の願いを聞いてくれないだろう。何故ならアラタ王は私を信じていないからだ。王の猜疑心は、居城であるこのラクラーナにも表れている。


 以前、アラタ王が住むにふさわしい、宮殿を建設しようという話があった。しかし国庫を圧迫すべきではないと、アラタ王が断った。

 国を第一に考える名君のようにも思えるが、実際のところは反乱を警戒して、守りに強い場所を選んでいるのだ。そしてアラタ王が最大の仮想敵と見ているのが、何を隠そうこの私だ。


 アラタ王は私が謀反を起こすことを警戒していた。もちろん私にそんな野心はない。アラタ王自身も私に野心がないことを知っている。だが私は軍の実権を握り、国民の人気も高い。お父様は宰相として、王国の内政も握っている。私は手を伸ばせば王座を奪える位置にいるのだ。それ故にアラタ王は私を警戒している。


 アラタ王との話し合いは、この猜疑心と私に対する警戒をいかに克服するか、あるいは利用するかというものになるだろう。

 侍従に案内され、ラクラーナの内部を歩く。そして謁見の間の前に到着した。

 私とレイが扉の前に立つと、案内をした侍従がレイに目を向ける。


「申し訳ありません。レイヴァン将軍。アラタ王がお会いになるのは、ロメリア様だけです」

 侍従の言葉に、レイが眉間に皺を寄せる。だがこれは予想出来たことだ。

「レイ、ここで待っていなさい」

 命じるとレイは素直に頷いた。そして扉が開かれ、私は一人で進み出た。


 謁見の間に入ると、上座の一段上がったところに玉座が置かれ、そこに三人の男性がいた。

 白髪に王冠を戴き、玉座に座るのがアラタ王である。その右隣には獅子の鬣の如き金髪をしたアーカイト王太子が立っている。左隣には立派な髭を蓄えた兵士がいた。銀色の全身鎧に槍を携えるのは、親衛隊の隊長を務めるセルゲイである。


 私は赤い絨毯が伸びる謁見の間を進んだ。

 謁見の間の両壁は、赤い布が天井から床まで垂れ下がっている。私は真っ直ぐアラタ王だけを見て進む。視界の端では、風もないのに壁際の布が僅かに揺れた。おそらく兵士を配置しているのだろう。アラタ王の指示一つで兵士達が飛び出し、私を殺す用意が出来ている。


 実に無駄なことをすると思う。そもそもアラタ王は私を殺すことが出来ない。


 王国を差配する宰相は私の父であるグラハム伯爵だし、教会で指導的な立場にあるノーテ枢機卿は、私の個人的な友人だ。ほかにも私の支援者は多いし、連合軍に対しても信頼を勝ち得ている。私を突然処刑すれば、国の内外から多くの批判が寄せられるだろう。下手をすれば反乱が起きてもおかしくない。

 私を殺せば、ライオネル王家が滅ぶ現状があるのだ。


 それに私を殺すだけなら、こんなに多くの兵士を揃える必要がない。そばに立つセルゲイ一人で十分だ。それはアラタ王も分かっているだろう。だがそれでも兵士を配置するのは、親衛隊長のセルゲイをも信じていないからだ。


 私は進みながら、親衛隊長のセルゲイを見た。セルゲイとは四年前におきたセメド荒野の戦いで、戦場を共にした戦友である。おそらくアラタ王は、その過去を警戒しているのだ。私を処刑するとなった時、万が一にもセルゲイが私を助けるかもしれないと見ている。


 かわいそうな話である。セルゲイは王家に忠誠を尽くし、先王であるアンリ王のために命を懸けて戦った。王家に対する忠誠心に疑う余地はない。私を殺せと命じれば、セルゲイは必ず実行する。アラタ王もセルゲイの忠誠心を理解しているが、私と通じているかもしれない可能性があるだけで、信じ切ることが出来ないのだ。


 ならばセルゲイを隊長から罷免すればいいのに、アラタ王はそれも出来ない。セメド荒野の戦いでは、親衛隊の多くが死んでしまった。そのため隊長を務められる者がいないのだ。


 これもまた王を取り巻く現状だ。アラタ王は猜疑心と現状の間で揺れている。信じていなくとも使える者を使わねばならない。

 私はアラタ王の前に進み出て膝をついた。


いつも感想やブックマーク、評価や誤字脱字の指摘などありがとうございます。


アニメロメリア戦記公式HPにて、ロメリア戦記書下ろし小説第零話が公開されております

ロメリアが恩寵を賜る場面を描いた作品です。

是非読んでください

https://romelia-senki.com/special/

(上記のURLのサイトで読むことができます。直接リンクができなかったので、お手数ですが選択してリンクを開いてください)


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― 新着の感想 ―
>私を突然処刑すれば、国の内外から多くの批判が寄せられるだろう フルグスク帝国皇女「ほう、ロメリア殿を……」 ヘイレント王国聖女「つまり、ライオネル王国は……」 ハメイル王国公爵夫人「我々を敵に回すと…
そもそも本来王位につくはずじゃなかった傍系王族かなんかですよねこの人。 いや権力者は握った権力を手放さないのは分かってるけど、殺せないロメリアを無駄に警戒してもそれこそロメリアを逆に反乱に走らせかねな…
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