8、名前が決まりました
遅くなりました!
登場人物のキャラが定まりません…
「なぁ、ヴィル。出かける時、言ったよな?時間通りに帰ってくるって。仕事溜まってるのわかってるよね?」
「はい。わかってます。…でも、今日は許してほしいかな」
「今日は?何わけわかんない事言ってるのさ。いつもでしょ?」
私達は現在ヴィル様のお屋敷のリビング?に居ます。
やっぱりお屋敷の中も大きかった…
でっかい部屋にソファーとテーブルがポツンとある…みたいな。
私とエセンさんはソファーに座ってるんですけど、あぁ、もちろんふわっふわなソファーです。ヴィル様は床に正座しています。
え?何故正座かって?ヴィル様の名前を叫びながらやってきた少年にお説教されているからです。
…仁王立ちしてヴィル様に言っているけど、全然怖くありません。だって可愛いから。
この少年みてたら、ショタコンもいいなって思うレベルで。
やっぱりこの世界、顔面偏差値おかしいって。
「ごめんね?これ、いつもの光景だからさ」
そうエセンさんが耳打ちしてくる。
…いつもなのか…。
いつもこの光景が見れるのか。
「ヴィル?ルセットに彼を紹介しなくていいの?」
ルセット…彼がルセットか。
クリーム色のふわふわした髪に緑の大きな瞳。
その瞳が私を見て大きく見開かれていた。
「………ヴィル様?ついに、人攫いでもはじめたのですか?彼女…いえ、彼、ですね。何処から連れてきたのです?いくら好みの顔だったからと言っても、人攫いはいけませんよ?誘拐は犯罪です」
「えぇ…誘拐って決めつけないでよ。ちゃんとした手続きを踏んで、うちの子にする為に連れてきたのに…あと、敬語やめてよ。本当に怒ってるじゃん…」
「ちゃんとした、手続き、うちの子」
ルセットくんの雰囲気が黒くなる。
あ、少し怖くなったかも。まだ、可愛いけど。
「あーあ、ヴィル…誤解させちゃったねえ…
仕方ない。助け舟でも出しますかね」
エセンさんはそういうと少し前に出た。
「ルセット いきなり可愛い子連れてこられてビックリしたよな」
「…エセンさん」
「説明するとな、今日 俺がヴィルを誘って御披露目会行ったんだよ。御披露目会はわかるよな?」
「はい。オークションという名の人身即売会ですよね?」
「そ。流石カトラリーの教育だね。そこで、この子が出てきてさ、ヴィル、立ち上がっちゃって即落札。で、奴隷の身分からカトラリーに属する子にする手続きをしたいから連れてきた。以上。な、誘拐してきたわけではないんだよ」
ざっくり説明された。
…カトラリーに属する子ってなんだ。
養子とは違うのかな。
「オークション…奴隷…こんな小さくて綺麗な子が…」
「だからじゃない?ヴィルみたいなのが大金落としてくから」
「…私みたいなって、何?」
ヴィル様が若干しょぼくれたように言った。
「キミ、よかったね…買ってくれたのがヴィルで。この人、こんなんだけどいい人だから」
こんなんだけどいい人…。
鼻血出すけどいい人?
「あ、ねぇキミ名前は?」
ルセットくんに名前を聞かれたけど、名前ないんだよな。私。
「それをルセットに考えて欲しいんだよ。ヴィルと一緒に」
「え、俺が考えるの?」
「ヴィルだけじゃ心許ないからね」
「それはわかる。エンジェルとか付けられたらダメージがでかいからな」
ルセットくん。それ、ビンゴだよ。ヴィル様の事よく分かってるね。
当たり前か。
「でしょ?だからルセット、いい名前期待してるよ」
エセンさんにそう言われてルセットくんは考え込んでしまった。
「うーん…あ、俺まだキミの声聞いてないな。ねぇなんか喋ってよ」
ルセットくんはそう言って私の前にしゃがんだ。ヴィル様は未だに正座している。
「何故って思ってる?キミの声を聞いたら正解にたどり着けるかなって思ったんだよね」
「正解?」
「あ、喋ってくれた。綺麗な音をしてるね。
えっと…正解っていうのは、俺の能力の力の事で、色々な要点から答えを見つけ出せるんだ。…探偵みたいな物かな?…探偵ってしらないかな?まぁ、色々応用が利くから便利な力だよ。キミも名前が決まれば能力が目覚めるかもね」
あの神が言ってた能力ってそういうことか。
ここ、本当に"異世界"なんだな。
魔法とかある系かな。
魔法使いたい。
「まぁ、名前に正解も何もないんだけどさ、ヴィルが納得する名前をつけなきゃなわけで………」
うーんと唸ってから、
「ねぇヴィル。 シャルロッテはどう?シャルルヴィルと似てるし」
とルセットくんは言った。
「ああ、いいじゃないか。シャルロッテ。
呼び方は…シェロ…かな?」
「だね。ヴィルの事をたまにシャルって呼ぶ人もいるからね。…よかったね。エンジェルにならなくて」
そう言ってエセンさんが頭を撫でてくれた。
……イケメンに撫でられるのも悪くない…。
シャルロッテか……。
ちょっと女の子っぽいけど………。
……いや、女の子の名前じゃない?
「改めて、ようこそ。カトラリー家へ。
歓迎するよ、シャルロッテ。
これからよろしくね」
「はい!よろしくお願いします!」
私は笑って頭を下げた。
「あぁ、笑顔が眩しい…」
あ、ヴィル様…鼻血出した。
シャルロッテ・カトラリー。
神を名乗る美女に間違えて殺されて異世界転生し、少年に生まれ変わった子の名前。
見た目が少女な為、鼻血を出す美青年に買われた。この物語の主人公。
シャルロッテの意味は
"小さくて、女性らしい"
やっと主人公の名前が決まりました…